訪問日

2018

12/23

「片折」冬:カニの回(3度目の訪問)

(※写真不可な回だったので写真はありません。)
片折さんにハマってしまい、秋冬で3回目の訪問。秋の松茸づくしの次は冬の蟹づくしです。
白子の先付け、お次は香箱蟹という冬の美味で幕開けし、もうここで既にハート掴まれてたわけなんですけど、目の前に登場したのは、今回の主役である加能がに(ズワイガニの雄)。まだ生きていて暴れるほど元気なやつを、目の前で捌いてくれる。活カニを目の前で捌くところまで見せてくれるお店はあまり無いと思う(少なくとも金沢には無かった)。「おおおお!」と言わずにはいられない。手際よく捌く大将の目も輝いており、どこか意気揚々としていてこちらも嬉しくなる。
お吸い物は例によって鰹節を削るところからやってくれる命の出汁で。椀種は、一等の新大正もち米で作ったお餅の干口子射込みで、カニ身も惜しげなく太い足が一本。さらに沢野ごぼうも添えてあった。沢野ごぼうは七尾のブランドゴボウで、極太なのに繊維がきめ細かでやわらかく、いつものゴボウとはまるで違う食感。
お造りは能登の天然トラフグにあん肝を添えて。身はもとより、皮の部位も美味なのには驚いた。今まで食べてきたテッピとは別物の、歯が喜ぶようなソフトな食感だ。
お次は目の前で蟹足を炭火焼きに。切れ目は入れずに殻そのまま。こうすることで言わば蒸し焼きになるため、身はみずみずしく“とぅるん”としていて絹の舌触りだ。迷い鰹の炙りを一皿を挟んで、炭火には、かにみそがたっぷり入った甲羅がかけられた。ふつふつと温まったところで、蟹の爪と蟹足をソースのようにディップ。贅沢の極み。さらにさらに、ほぐした蟹身をシャリにのせたおすし。もう「参りました」です。

お食事前に、金沢市安原の荒川さんのカブラ。シンプルにふろふきに。これがまた吐息が漏れるような美人で、繊維がきめ細かく風味よく美味。きっと我が子のように大事に育てられたんだろうなぁということが伝わった。お食事は氷見のコシヒカリ一等米で、美しく光輝いていた。食後はお抹茶と穴水の栗を揚げたもの。最後まで手抜きなしの全力。

金沢の誇りだ。

前の記事へ 紹介ページに戻る 次の記事へ