訪問日

2024

06/28

「respiracion」2024年6月28日:鮎、ヘタ紫茄子 熊ラルド、白ガスカルドソ

改装後初の訪問です。
今回はおひとり様訪問にて、厨房の中の特等席「シェフズテーブル」でのお食事でした。
臨場感、温度感、息遣いまで感じられて最高に楽しい。
(ダイニングも改装して非日常感が増していて、そちらも良いですよ!)

※品数が多く、内容が濃いので、解説が一部なところもあります。

●甘海老
コースの冒頭に必ず出てくる甘海老を再構築した一品は、オープンから作り続けているスペシャリテ。リニューアルオープンをきっかけに器も新調されました。美しい器。

甘海老を一旦分解して、海老味噌の部分でシートを作り、塩麹でマリネした身の部分に被せてあります。この塩麹が現在自家製のものになり、オリジナリティがアップ。おいしさも増していました。
タルトは、殻や尻尾を焼いて粉末にし、生地に練り込んで2mmに仕上げます。摘んで一口で口に放り込むと、まずはひんやり甘い身の部分が舌に当たり、鮮烈な甲殻類の風味と香ばしさが追いかけてきて口いっぱいに広がります。

●スナップエンドウ
今シーズン名残のスナップエンドウだそうです。カボスの木で炙って、ブラータチーズを添え、アーモンドとニンニクの香りを移したアホブラータを仕上げにかけて。スナップエンドウの薄く柔らかい外皮から、みずみずしいジュがピュッと弾ける。優しいスモーキーな風味とフレッシュなミルクの味わいが口の中で溶け合い美味。

●鮎
浅野川の天然鮎。

その光景をそのまま切り取ってきたかのような、躍動感のある姿でお料理に。骨までサクッと行けるちょうど良いサイズ感でした。
ソースは、新玉ねぎを発酵させてライムジュースと合わせたもので、甘さのある酸味が鮎にピッタリ。ワラビのピクルス、フェンネル、木の芽。

●ズッキーニ/ヨモギ/七面鳥
馬場農園さんのズッキーニは、2種のお料理として。
まずは、2層に分かれた涼しげなムース。ズッキーニピクルス、宇出津のワカメの出汁、じゅんさい、白山麓の山ヨモギのオイル、それぞれが持つ緑の風味が複合的な美味しさを完成させています。

もう一品は、ズッキーニ1本を丸ごと農口尚彦研究所の酒粕とゴルゴンゾーラでコーティングし、3日間粕漬けのようにマリネしてから、脱水して焼き上げた料理。花の方には、なんと、もうお目にかかれないと思っていた阿岸の七面鳥が入っておりました。胸、もも、砂肝を白山白峰で採れた天然葉わさびで巻いて詰めてあり、七面鳥の鶏油を塗ってオーブン焼きに。火入れも抜群で、パワーと品のある味わいが繊細なズッキーニにピッタリでした。

●パン
パンは2種類。こちらも自家製酵母になりました。
1つは15穀米のカンパーニュで、アントシアニンの味わいがしっかり出ていて、とても好みでした。
もう一つは、金沢六条大麦とセイズファームのメルローの酵母で。

●ヘタ紫茄子/熊
加賀野菜の一つでもあるヘタ紫茄子を薪焼きで、七面鳥の出汁とオリーブオイルを表面に塗りながら焼き上げ、熊のラグー、薪の香りのベシャメル、能登115の泡ジュレと共に。驚いたのは、春獲れの熊で作ったのラルドを仕上げにハラリと乗せてあること。
ヘタ紫茄子の、凝縮した可憐な味わいにうっとりし、ラルドで旨味の奥行きがグンと増している。素晴らしい美味しさでした。

●シロソイ
シロソイ、川さんのトマト、エゴマの実の塩漬け、金沢港であがったさまざまな魚のスープ、剣先なんばと。

●上田農園トマト
上田農園さんは、月の満ち欠けで収穫を決める探求型の凄腕農家さんです。シェリービネガー、ハマナスの花と。

●鹿
見るからに美しい、パーフェクトな火入れの鹿はシルクの舌触り。添えてある球状の揚げ物は、鹿のスパイシーハツボール。鹿の血を入れた生地で包んで揚げてあり、深い味わいをスパイスの可憐な風味が持ち上げます。

●岩牡蠣パエリア

●白ガスえびのカルドソ
絶品!これは素晴らしい。高級食材である白ガス海老の、高貴な味わいを昇華させた一品。
ホッと一息に味わうつもりが、後半戦ここで盛り上がりました。

●能登杉
口に入れた瞬間に能登の山の中に連れて行ってくれる、杉のデセール。これは新発想、新感覚。この風味に脳が支配されました。

●とうもろこし/マンゴー
薪で焼いたとうもろこしのアイスは太陽の味わい。黒蜜、フレッシュのマンゴー、レモン、マリーゴールドで、元気のある南国の味わいに可憐さも演出。

●ミニャルディーズ、ハーブティー

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