訪問日

2020

10/25

「respiracion」能登鮑ブニュエロ、毛蟹パエリア

厨房を仕切るのは梅シェフ。コースの流れはいつも通りだが、スペシャリテはブラシュアップされていて中には変化を加えたものもありました。さらに梅シェフの新作も加わっており心踊りました。また、前回よりもさらに地元食材ひとつひとつを深掘りしていることが料理に感じられました。

●インパクト甘海老

●蕪
3時間かけて火入れをした蕪を、蕪のベシャメルソースとハマグリの泡で。蕪の葉のオイル、能登島の塩、オリーブオイルと共に。

●アロスネグロ サザエ/能登牛
スペシャリテのひとつですが変化を加えてあります。
ハーブをあしらった器から注がれるのは、ハーブティーと思いきやガスパチョ。純国産エクストラバージンオイルを落として。透明だがトマト水とハーブが効いていて、味わいクリアなガスパチョ。これを料理と交互に。

能登牛で包み込んであるのは、イカスミではなくサザエの肝で炊いたアロスネグロでイカスミとはニュアンスの異なる潮騒が広がる。ちなみに牛肉はコラーゲンを分解する温度、60度にこだわった調理されています。添えてあるのはマリーゴールドと穂紫蘇、湯涌の天然三つ葉。

●ピルピル
金沢港で上がった真ハタを1週間熟成させたもの。その下には里芋と、石川県で作っているのがお一人のみというクレソン。湯涌の柚子を効かせた泡をのせ、さらに真っ黒な柚餅子(ゆべし)をグレーターで削ることで、もったりとクリーミーなピルピルの味わいを柚子の和の柑橘風味が持ち上げる。

●パン
うどん粉を配合したどっしりめのパン。能登島の塩とスペインオリーブオイルで。

●能登鮑 ブニュエロ
ゆっくり火を通したやわらかい能登の鮑にはドットのような金時草があしらってあります。それを鮑の肝ソースと加賀れんこんのブニュエロにのせて。温かいれんこんのコンソメを注いで。

●ボケロネス
メニューには無い一品。スペインのタパスの定番ボケロネスを石川県のイワシで。

●農口研究所 / 羽咋自然米
こちらもスペシャリテのひとつで兼六園をイメージしたお皿。ジオラマの中には徽軫灯籠(ことじとうろう)を見つけることができます。
農口尚彦研究所さんの大吟醸の泡、羽咋で育てられている自然米(神子原米)、能登ミルクという構成で、どこか懐かしみのある味わい。グラニテとして。

●鰆
毎回鰆が出てくるけど今までで一番美味しく感じました。春菊とニンニクのソース、あんがとう農園菊芋のソース、わけぎ、焦がしネギパウダー、ネギオイルで。

●猪、鹿/ビーツ/イチジク
秋の野山を連想させる一皿。鹿肉背ロースには能登松茸炭焼きを添え、ウワミズザクラの塩漬けを乗せて独特な風味を加える。ビーツの中には、ピクスルで昆布締めイチジクと原木なめこ。枝に刺したのはイノシシのお団子とサルナシ。

●毛蟹
スペシャリテのパエリア、毛蟹で。

●クララ
梅シェフのバルセロナ時代の思い出の味を表現したデザート。“
クララ”はスペインでビールをレモン炭酸で割った飲み物です。クララの泡をレモンのデザートに乗せて。素晴らしいプレゼンテーション。

●五郎島金時
石川県の形を模したチョコレートを添えた加賀野菜の五郎島金時のモンブラン。中にはシャインマスカットなどのフルーツ。

●ハーブティー、プティフール
プティフールもひとつひとつコンセプトを決めてシェフが作っています。吸い込まれそうな露草色の器は結城彩さん。

飲み物は、この素敵なプレゼンテーションだとハーブティーで決まりでしょ!

4種の小菓子と共に楽しみました。

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