訪問日

2022

05/05

「respiracion」能登猪カネロネス、ホタルイカパエリア

今回個人的に一番印象的だったのは能登猪と阿岸の七面鳥を使ったカネロネス。あとは、シーズンでメイン食材が変わるパエリア、今回のホタルイカも良かったです。

●インパクト甘海老 スペシャリテ

●能登牡蠣

岩牡蠣を新玉ねぎと生クリームと魚出汁を合わせたソースで、実山椒を漬け込んだオイルを仕上げにかけて。牡蠣の潮騒とミルキーな味わいに山椒の青い風味を重ね、玉ねぎの穏やかな甘みで包み込む。


●ガスパチョー
トマトの冷製スープ、ガスパチョーのレスピラシオンバージョンです。
トマト液の力強い旨味の上に、能登あんがとう農園さんのフレッシュハーブの複雑な風味が舞う。香川県産のエキストラオリーブオイルを仕上げに。定番メニューでありシンプルな1品ですが、黄金比に驚きます。

●七面鳥/スナップエンドウ
能登 阿岸の七面鳥モモ肉は藁焼きにして。旨味が骨太で、筋肉の弾力もあるが柔らかく、七面鳥ポテンシャルの高さを教えてくれます。外皮の柔らかいスナップエンドウ、石川県ホリ牧場で今朝搾ったばかりの乳で作ったブラータチーズと。ブラータはぬくぬくとした温度で、密度が濃くもっちりとろけて美味。

●まはた/カリフラワー
2週間熟成させたマハタに、とろとろのピルピルソースをかけて。仕上げには、白の世界に炭化させた真っ黒な柚子を削り、ふわっと和の風味を添えて。ミルキーなピルピルソースが、熟成マハタのアミノ酸に調和。

●七面鳥/独活
独活のフリット、阿岸の七面鳥スープ、阿岸の七面鳥ハツ

●九絵
2週間熟成させたクエは、川端さんの無農薬栽培加賀れんこん、マッシュルーム、輪島のバイ貝をバターソースで。能登の天然クレソンを添え、吉田酒造店 手取川さんの酒粕ソースで。加賀れんこん、マッシュルーム、バイ貝の食感が遊ぶ。

●トマト
シェリービネガーに漬けたトマト、グッと輪郭が出て濃厚で、見た目さながらルビー色の味。

●猪
シェフが修行したスペインカタルーニャ地方の郷土料理”カネロネス”を能登のジビエで。
能登の雌の猪と阿岸の七面鳥のレバーを、パスタで筒状に巻いて、ベシャメルにシェリー、仕上げにチーズを振って。
ベシャメルのまったりとした脂肪味に、パワーを秘めたジビエが重なる。咀嚼するごとに広がる、能登の山の光景。余韻まで美味しい印象的な一皿。

●蝦夷鹿/沢野牛蒡
雌の蝦夷鹿の背ロース、コースで使用した端材のソースで。
レスピラシオンさんはいつも肉料理をしっかりキメてくるので、コースの山にググっと気持ちが盛り上がります。
ソースはこれまで使った食材の端材を使用した奥行きのある旨味のソース。七尾の伝統野菜“沢野ごぼう”で、馥郁たる香りを添える。

●蛍烏賊
シーズンでメイン食材が変わるパエリア、今回は活ホタルイカを使ってくれました。今しがたまで生きていたホタルイカを事前調理。パエリア鍋の中で蒸しあげるように調理してあるので、ふっくらつるっとしていて、素材感が伝わる繊細な美味しさです。口の中でピュッと弾けたホタルイカの肝が、口の中で味の染みたパエリアにソースのように溶け合い、グラデーションも美味。贅沢な美味しさ。


●アロスカルドソ 山菜

●苺/蕗の薹
あまおう苺ムース・苺パウダー・苺コンポートに、青い風味と苦味まで味方につけた蕗の薹アイスで春らしいコンビネーション。

●デコポン/ジン
デコポンの一種である鹿児島の大将季(だいまさき)とスペインのクラフトジンを合わせたデザートで、チーズのムース・大将季の果肉・皮のコンポート・キハダの実のアイス・果肉とミルクシートを組み合わせます。
ミルクと柑橘って相性がとても良いですが、精密にガストロノミーに昇華させたデザートです。

●小菓子、ハーブティー
4種類のお菓子で食後の余韻を楽しみます。
サフランと人参、山菜のクレープ、カラヒージョ、ようこそレスピラシオンチョコレート。
カラヒージョは、エスプレッソとブランデーを合わせたスペインの温かい飲み物で、それを球体に閉じ込めて。外膜が薄く、一口で口に入れると液体がピュッと飛び出し、ビターで重厚な味わいがとくとく広がります。

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