訪問日

2021

12/22

「respiracion」月光ゆり根、沢野ごぼう、鰆とホワイトスター

前回から1ヶ月強。2021年、今年4回目のレスピラシオンです。
スペシャリテはスペシャリテでブラッシュアップされていて、新作では珠玉食材の良さをパーンと引き出してあって印象に残る料理が多かったです。今回特に驚いたのは、月光ゆり根。絶品でした。定番スペシャリテの魚料理もなんだか美味しさが増している気がするし。目が離せません。

●インパクト甘海老 スペシャリテ

●蕪
蕪を主役にした一品。蕪、蕪のソース、蕪の葉のオイル、さらに蛤出汁の泡をふんわり乗せて。和食に通じる繊細があります。

●ピルピル
2週間熟成させたマハタに、とろとろのマハタのピルピルをソースにして。白の世界に、炭化させた真っ黒な柚子を仕上げに削ります。ローストしたカリフラワーと。

●ガスパチョー
トマトの冷製スープ、ガスパチョーです。香川県産のエキストラオリーブオイルを仕上げに。
トマト液の力強い旨味の上に、能登あんがとう農園さんのフレッシュハーブの複雑な風味が舞う。定番メニューでありシンプルな1品ですが、黄金比に驚きます。

●百合根、加賀蓮根
通常は脇役となる百合根ですが、しっかりインパクトを残した絶品のゆり根です。帯広で栽培される“月光”という品種で、限られた農家さんでしか栽培がされておりません。
45分低温調理。鱗茎が大きく、ほくほくとしていて、まるで熟成させて糖度を増したサツマイモのような骨太の甘さで、バターを効かせたソースに好相性。

●鰆、ホワイトスター
輪島の2週間熟成の鰆はレアに仕上げてあり口溶けも抜群です。その下には、金沢湯涌の「きよし農園」多田礼奈さんが育てるホワイトスターという品種のネギ。寒くなるに連れて甘味が増したネギの、火入れをしてとろとろになった中心部だけを使っており、MAX値に高められた天然の甘さのジュがソースのような役割を果たします。

●里芋、七面鳥
あんがとう農園の里芋を、阿岸の七面鳥の出汁で3時間煮込みます。蜜柑のオイル、アルバ産白トリュフをはらりと添えて。
阿岸の七面鳥は今回はスープとして出てきましたが、七面鳥に持つパサパサなどのネガティブな印象を覆す肉質の良さで、旨味を蓄え美味なのです。能登自慢のお宝食材です。

●猪、のと115
シェフが修行したスペインカタルーニャ地方の伝統料理フリカンドーを、能登の原木椎茸「のと115」と猪で。猪はタルタールのような口溶けで、野趣と原木椎茸の力強さがマッチしています。

●蝦夷鹿
一目瞭然のパーフェクトな火入れ。蝦夷鹿は部位は背ロースです。レスピラシオンさんは、いつも肉料理をしっかりキメてくるので、コースの山にググっと気持ちが盛り上がります。
ソースはこれまで使った食材の端材を使用した奥行きのある旨味のソース。七尾の伝統野菜“沢野ごぼう”のピュレと。

●香箱蟹、加能蟹
シーズンでメイン食材が変わるパエリア、今回は香箱蟹と加能蟹のパエリア。香箱ガニが食べられるのも今年はあとわずかなので、味わって食べました。
蟹の旨味が染み込んだご飯から、咀嚼するたびに甲殻類の旨味と風味がにじみ出します。
アイオリソースには今回は蟹の旨味を加えてあります。

●アロスカルドソ 輪島の白子を乗せて

●洋梨、大葉
洋梨の果肉と洋梨ジャーベットにミルクシートを被せて、洋梨パウダーと大葉オイルをかけて。
しんしんと雪が積もる冬の金沢をイメージした一皿。和梨にはない洋梨独特のミルキーな味わいに、ミルクシートが調和します。

●紋平柿、黒文字
艶やかなオレンジ色が眩しいデザート。蜜柑などの柑橘ではなく、紋平柿とあんぽ柿ピュレを層状に重ねたミルフィユなんです。ねっとり甘いというよりも透明感のあるすっきり爽やな美味しさで、ジューシーで風味も良い。

●お茶菓子
4種類のお菓子で食後の余韻を楽しみます。
エスプレッソとブランデーを合わせたカラヒージョというスペインの温かい飲み物を球体に変えて。外膜が薄く、一口で口に入れると液体がピュッと飛び出し、ビターで重厚な味わいがとくとく広がります。
蜂蜜とヨーグルトのムースで包んだヤギのチーズ。りんごのコンポート入り加賀棒茶ブッセ。ようこそレスピラシオンチョコレート。

ハーブティーと共に。

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