訪問日

2020

03/07

「respiracion」能登鰻ビーツ、湯涌日本鹿

全体的に前回の改新版が多い印象でした。シェフたちの探究心から生み出される新作も楽しみにしたいです。
●インパクト 甘海老

●蕪/柚子
蕪は茎の根元が一番風味が強いそうで、ガストロバックで蕪に風味を移してあり、香りの鮮烈さになるほど。こちらもインパクトあり。湯涌の柚子のベシャメルの泡。

●脂味 能登牛
前回「コラーゲン分解」というタイトルで、コラーゲンを分解する温度の60度にこだわったプレゼンテーションでした。能登牛にアロスネグロ、雲丹は今回中に包み込んでありました。さらに今回は玉露とトビウオから抽出したエキスペアリングし、雲丹のアミノ酸にアプローチさせて、旨味の構成を口の中で変化させます。カップは山田睦美さんの珠洲焼。

●産卵 鱈
前回の「乳化」というピルピルの料理からの改新版。今回の料理で一番好きでした。石川県産タラのピルピルのミルキーな味わいに、タラの真子の旨味、菊芋の個性的な風味と甘みがとても相性良く、着地のおいしさに驚きがありました。

●能登鰻/ビーツ
能登鰻はこだわりの環境下で数量を限って育てられているそうです。箸に重さを感じるほど肉厚。能登産のビーツを合わせて。

●農口研修所/自然米
兼六園をイメージしたお皿で、前回は「Garden」というタイトルでした。ジオラマの中には徽軫灯籠(ことじとうろう)があり、さらに季節感も出し、春の雨の兼六園を表現してありました。
農口尚彦研究所さんの大吟醸の泡、羽咋で育てられている自然米、能登ミルクという構成で、どこか懐かしみのある味わい。グラニテとして。

●鰆
前回「温度焦点」というタイトルだった鰆の料理。桜色の美しい身はミキュイに、そして皮目が薄く黒くパリッと焼き上げてあり美味。加賀野菜のひとつ“加賀一本太ネギ”の焼きねぎソースで。

●日本鹿/カリフラワー
湯涌の鹿の背ロースと能登島ポークの串焼き。行者ニンニクソースで。

●毛蟹
パエリアはレスピラシオンさんのコースで見せ場の一つ。香箱蟹のない時期は毛蟹になるんですね。

●ガス海老のフィデウア

●苺/蕗の薹
このデザートは非常に好きでした。春を予感させる苺のパステルピンクにスプーンを入れると蕗の薹の薄萌黄色が顔を出す。味のコンビネーションも良く、苺の酸味に蕗の薹の風味がマッチングしフッと鼻腔を抜け、かわいらしい甘さと優しい苦味が余韻に残ります。春の風のような一皿に心踊る。

●五郎島金時/アールグレイ
前回「無秩序」というタイトルだったデセールは、形が大きく変わり球体の中に閉じ込め、石川県の形のチョコレートを添えてあります。中はカスタードに五郎島金時とシャリシャリ食感を残すりんごとアールグレイ。

●ハーブティー、小菓子
小菓子は華やかに5種類。とても凝って作ってあり、食後のひとときが充実したものになりました。吸い込まれそうな露草色の器は結城彩さん。

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