(握りの写真は撮れないので、料理の写真が一部です。)
カウンター大将の頭上には、羽咋押水のユキヤナギやナナカマドなどの山野草が美しくしつらえてあり、生気の演出にまず驚きがありました。草色が目に心地よくてうっとり見入ってしまったが、カウンター席側に目をやるとゲスト全員が全員そうなっていました。
おしぼりには山ハッカで爽やかな香りを添えて、暑い日に爽やかな風が吹き込みます。
●黄金ガニ
食材は最初から主役級。能登富来の黄金ガニがドーンと登場。すりこぎ棒でジャッジャッと手際良く身を出し蟹味噌をのせて。山口さんの「10分蒸しただけ」には謙遜と計算の意味が含まれていて、蒸すことで素材の持つ美味しさがパーンと引き出されています。ふっくらみすみずしく、天然の塩味もほんのり寄り添う。
●門前の鮑
産卵期を迎える前の春がコラーゲン多く最も良く、6月くらいからは徐々に落ちてくるらしいですが、この時期はおいしさが肝に移動しているということで、2口目は肝和えで。鮑は7時間蒸して丁寧に包丁を入れ、切り方で舌の当たりや食感を調整してあり、そのままでも美味。
●富山新湊 岩牡蠣
15分強火で蒸した岩牡蠣。みみみっと詰まっていて、ぷりぷりとはまた違った美味しさ。
●アオリイカ 2.5キロのアオリイカを10日熟成で。
●能登島マコガレイ
●縞海老
●アカイカルイベ
見た目にも口当たりもひやっと涼しい。薄くスライスしてあるので、舌の上で体温に戻るとスッと消えて無くなる。海苔巻きと、大葉巻きの2種あり、それぞれの風味が余韻を残します。敷いてある海藻はクロモ。
それはそれは度肝抜かれるような立派な食材が、何気に、しなっと、次々と現れるので、山口さんの手元から目が離せるときがないのが正直なところ。
●宇出津 バイ貝 炙り
炙ることで磯の香りが立って美味。二口目は磯辺巻きで。
●のど黒
●七尾湾 子持ちシャコ
オレンジ色の子を持ったシャコは言わずもがなレア。子はカラスミに似た食感。美味。
●福井 赤ウニ 塩雲丹のせ
●海老団子
焼きたてのほこほこあたたかい海老団子。白エビと縞海老とご飯をお団子にしてあり、ご飯の粒感が残っているのがまた良く、素朴な甘さが甲殻類の旨味とのコントラストになります。
●白海老 にぎり
子を離すと甘みがなくなるらしいですが、今はその前ということで旬の旬。1番良いとき。寝かして3日目で甘さがMAX値。
●福井県 赤ウニ にぎり
泣ける美味さ。「え、ええ、そんなに」と思わず口から出てしまうほど雲丹をたっぷりのせた握りで、重量感もずっしりだ。口の中に雲丹が押し寄せてきたかと思うと、そのまま食道に落ちて無くなるくらい刹那の美味しさだが、甘さと幸せの余韻が半端なく長い。
●北海道 バフンウニ
雲丹をご飯に混ぜ込み、海苔と醤油を混ぜたものをのせて。見た目は卵黄だけ使ったたまごかけご飯かと思うくらいの濃い山吹色で、味は説明の必要がないくらい、この色から連想できるはず。目尻が下がる美味しさ。
●富山ボタン海老炙り にぎり
●煮アワビ にぎり
●玉と干瓢の巻きもの
玉は名古屋コーチンの卵と蜂蜜使用。
ペアリングの日本酒
(最後の方はアルコール許容範囲越えたので1つ2つ省いたものもあり)
・白菊(白藤酒造店)輪島
・手取川 山廃純米吟醸(吉田酒造店)白山市
山廃純米の吟醸は石川でのみの販売らしいです。
・常山 (常山酒造合資会社)純米超辛 福井
・黒龍 大吟醸 「龍」(黒龍酒造)福井
・「のとのなつやすみ」純米吟醸(白藤酒造店)輪島
・「登雷」令和元年五月一日搾り(鶴野酒造)能登町
・「十四代」(高木酒造)山形県
・「Masuizumi」(桝田酒造店)