夏の小松さんは、秋冬とはまた違った日本の風情があって好きです。
土壁に掛けられているのは1900年代のフランス製の花器で、ガラスとシルバーを組み合わせたもの。お花はオカトラノオ。
今回のお料理で印象的だったのは、お造りのヒラメ、能登岩牡蠣フライ、吉川ナス、葛切り。後半に向けて盛り上がっていった印象でした。
●犀川釣の鮎
最初の一品は、今日犀川で獲れたばかりの鮎の塩焼き。地物を準備して下さいました。
●お吸い物 鱧、キクラゲ
●お造り アカイカ
丁寧に包丁を入れて引出されたねっとりと舌に絡む甘さと、キャビアの塩気。
●甘鯛昆布締め、ヒラメ
ヒラメが美味でした。張りのあるピンピンの食感とは違って、しなやかで甘さがあり絶品でした。
●お造り トリ貝 七尾、シシトウ焼きびたし
●生姜の玉締め、ウニのせ
こんもりとウニを乗せて。玉締めは冷たくてふるふる滑らかで繊細な舌触り。針生姜が入っており、ウニの重厚な甘さにに涼しい風が吹き込みます。
●蓴菜 青森、能登岩牡蠣フライ
梶の葉を添えた八寸。昔、七夕の願い事を書く際は、梶の葉っぱに墨で書いていたそうで、この季節を象徴するしつらえです。フライにして密度を増した牡蠣の旨味。食べ応えのある大きさで、インパクトありました。
●のど黒
●吉川ナス
吉川ナスは、福井県の吉川村と呼ばれていた現鯖江で育てられる丸茄子で、ソフトボールくらいの大きさがあります。これが原種であるという説もあります。小松さんは毎年出してくれるので、夏訪れる楽しみの一つになりました。
果肉はギュッと詰まっていて、風味にフルーティーなニュアンスあり。出汁を吸って素材の甘さと重なり、さらに舌触りが滑らかで美味。これがメインと言っても良いほど。
●穴子雑炊、茗荷
●葛切り
夏に楽しみにしている小松さんのデザート。流したての葛切りは絶品なのです。出来立てだからこその透明感ともっちりとした食感。するりと喉を滑っていくのが気持ち良い。黒糖だけで作った黒蜜は、ほろっと香ばしくコクがあるのにさっぱりしており美味。