訪問日

2020

05/29

「蕎味 櫂」初夏:鮎魚女お吸い物、そば寿司、鴨団子

コロナ禍で春先の営業ができなかったため、櫂さんに訪れたい気持ちが募りやっとの訪問です。テイクアウトで2度お邪魔したが、春の美味を味わえず、本営業の訪問は5ヶ月ぶりとなってしまった。などともやもや思っていたが、初夏の美味を堪能し上機嫌に。さすがの櫂さんのシゴトに感銘を受けました。

・西出酒造「春心」特別純米

・車多酒造「五凛」生酛純米吟醸

●そば豆腐
最初の一品から櫂さんらしさを感じます。見た目から実に風流。涼しげなじゅんさいに、もっちりとして透明感のある味わのそば豆腐が調和。雲丹をのせて。

●金沢港毛蟹

●七尾の鮎魚女 お吸い物
蓋を外すと今が見頃の白い芍薬を連想させる鮎魚女の大輪花が咲く。ほろっとやわな食感、そのあとに一呼吸置いて甘さが訪れます。木の芽、糸にした独活。

●お造り アオリイカ、鮎魚女
鮎魚女は、お吸い物のほろっとした食感とは対照的に、もっちりと弾力ある食感。

●八寸
白玉蜀黍すりながし山椒オイル、海鼠腸茶碗蒸し、美川の鱚のそば寿司
すりながしは、玉蜀黍の風味と天然の弾けるような甘さが口の中にパーンと鳴り響きます。蒸したて熱々の茶碗蒸しは滑らかで、海鼠腸の海の塩気がグラデーションを描きます。

そば寿司は、やや厚みのある鱚のもっちりした身に極細切りのそばを包む。

●鴨団子
鴨団子は予想以上に口どけ良く滑らかで、口の中で消えるようでした。信田巻きは豆腐を充填したタイプで、こういう1パーツにも大将の繊細な仕事が光ります。鴨団子も信田巻きも、どちらも透明感のある味わいの出汁にとてもマッチしています。

●カラスミそば
前々回はふぐの子そばでしたが、今回は自家製のカラスミで。極細切りのそばに和えるようにして、酒肴にもなる一品。

●白えび天麩羅
ここで熱々の香ばしい白えびの天麩羅。ああ、おいしい。この考えられたコース構成。

●そば
これが来ると「待ってました」となるのは、そばが締めでありメインで、やはりここのそばがうまいことを証明してくれます。極細打ちの外二そば、山葵の代わりに辛味大根で頂くのが櫂スタイル。野趣と凛とした味わいに喉が震えます。美味。

そば湯で心落ち着ける。土瓶は小鹿田焼。

●あんみつ
最後までそば屋たるプライドとその美味しさを味わわせてくれるのが櫂。寒天はそば茶の寒天で、口の中でふんわりそばの香りが立ち上がる。あんと蜜の雅な甘さ。コースを昇華させるデザート。

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