初夏らしさを感じる料理の数々。締めくくりの白えびのご飯がとても印象的でした。さらに、食後のお茶席が心豊かになる一時でした。
●前菜
トラフグポン酢和え、カラスミ、アサリの卯の花、小茄子田楽、一寸豆の塩茹、鴨ロースの芽ネギ巻き、岩モズク
●スペシャリテ オリジナルます寿司
何度食べても美味しいと思う、自他共に認めるスペシャリテ。
●お吸い物 アスパラの葛豆腐、甘鯛
アスパラは太白油で炒めてから葛豆腐にしているので、アスパラの主張がしっかり感じられます。青い風味が引き出されている。
●滑川ヒラメ
透明感のある美しいヒラメ。お醤油か、滑川の海洋深層水を使った塩昆布水で。器は矢口永寿。
●魚津トラフグ藁焼き
フグは北陸は5月が良い時期。器は三代 須田菁華。
●鮎魚女
どっしりとした力強さと味わいのある器は、なんと魯山人。鮎魚女はもろみ味噌を添えて、蕨のかき揚げと。
●炊き合わせ
鯛の真子と白子、すすたけの炊き合わせ。器は初代 須田菁華の金襴手。
●魚津トラフグ
3キロのトラフグを炭火焼に。骨まわりの身のおいしさよ。付け合わせは山葡萄新芽天ぷら。
●池多牛の豆乳鍋
はぎ原さんのコース終盤で楽しみなのがこの豆乳鍋。牛肉は、通称“池多牛”と呼ばれている富山の池多ファームさんの牛。飼料は自家製産にこだわり、県産のコシヒカリの稲わらや遺伝子組み換えなしの配合飼料などを与えています。
池多牛を豆乳に泳がせるように火入れして、新玉ねぎとクレソンと共に口に運ぶ。ほちゃほちゃ滑らかな池多牛に優しい豆乳が寄り添います。
牛を食べ終えたら、ラーメンを締めとして入れてくれます。濃度を増した豆乳に麺が絡み二度おいしい。まろやかな味わいスッと整える黒七味も良い。
●白海老ご飯
米粉をつけてカラリと揚げた白海老と実山椒のご飯。揚げることで白海老の薄い殻から香ばしさが最大限に引き出され、口の中で威力を発揮。ご飯を進めてしまう旨味の濃さ、そしてそれを引き締める実山椒も良い。
●デザート
さらにディナーでは、食後にお茶室に移動して店主のお点前でお茶を頂くことができます。
和蝋燭がゆらゆらと灯る中でのお茶席の趣。唯一無二の演出です。