訪問日

2019

09/02

「来人喜人 はぎ原」秋:のど黒カツ、池多牛と松茸のすき焼き

一献は青森の銘酒田酒にて。

お酒は勝駒を。
酒器は、能作さんの錫のお猪口、富山ガラス美術館、越中瀬戸焼の多種類から選べます。

能作さん製の立山を象ったお猪口を選びました。
とっくりは富山で唯一の切子職人、富山切子の塩原清夏さん。

●先付八寸
濃萌黄が映える虫籠盛りで。

岩もずく、万願寺唐辛子ジャコ、蒸し鮑たたきオクラ、“富山ブラック”という名前の黒大豆枝豆、鱧の子レモン流し、金時、時雨煮

籠を外して料理を目で追うと、スズムシやコオロギを思わせる葉で作った触角の長い昆虫を発見。小さい秋を見つけて嬉しくなりました。

●ます寿司 スペシャリテ

●お吸い物 白えび月とうふ
塗り物のお椀は魚津漆器で、立山連峰が幾何学模様で沈金にて描かれています。

見返しには「山」、見込(底)部分には「富」の文字が描いてあって、月とうふで隠れており、食べ終えたら現れるという素敵な遊び心。

●お造り
器は越中瀬戸焼釈永由紀夫さんで、立山の標高2405mに位置する“ミクリガ池”を象ったもの。自然の荒々しさと神秘的な美しさが、陶器とガラスで見事に表現されている。
ボタン海老、クルマダイ、越中バイ、アカイカ、げんげんぼう

滑川の深層水の塩ポン酢とお醤油で。

●のど黒カツ
フライが出て来たと思ったら、なんとのど黒!衣サクッと中からおいしいのど黒の脂がたゆたう。器にはふっくら厚みと、濡羽色と玄色が織りなす味わいが感じられますが、こちらも越中瀬戸焼釈永由紀夫さんで、また違う面持ち。

●魚津産 毛蟹
立派な毛蟹を茹でて身出しして、濾したトマトの透明エキスをかけて。風流な演出で食べる前から心踊ります。立派な毛蟹なので足も太い。トマトエキスが相性抜群。蓮の葉から連想する涼やかな味わいで、蟹トマト両者の旨味が調和。

●池多牛
この流れで牛は嬉しい。しかも牛肉は、通称“池多牛”と呼ばれている富山の池多ファームさんの牛です。飼料は自家製産にこだわり、県産のコシヒカリの稲わらや遺伝子組み換えなしの配合飼料などを与えているそうです。その池多牛に秋の味覚松茸を添えてすき焼き風の味付けで。のせてあるのは卵黄の天ぷらで、箸を入れると卵黄がとろとろ流れ出る。削った栗をパラリ。これは説明不要のうまさ。

●鱧の豆乳しゃぶしゃぶ
卓上コンロで鱧をしゃぶしゃぶ。出汁は豆乳入りでミルキーだがあっさりと美味しい。

鱧のお次は、砺波の大門地区発祥の丸まげ乾麺のおそうめん“大門素麺”をつけて。

●うなぎご飯
お食事はうなぎご飯で、炒り胡麻、山椒の薬味が効いています。最初はそのまま頂いて、出汁がけ、とろろがけで3段階で楽しむ。

ご飯茶碗は越中瀬戸焼釈永由紀夫さん。

●デザート
マンゴーアイス、呉羽梨、シャインマスカット、ルビーロマン、無花果ケーキ、ピーナッツ寒

紹介ページに戻る