訪問日

2023

04/21

「片折」春:ホタルイカ、鱒寿司、和風カニシュウマイ

春の訪れに歓喜するような回でした。主役は春の風物詩であるホタルイカ。不漁と聞くので、きっと準備するのは大変だったに違いないけど、その苦労も全然見せないのが片折さん。
鱒寿司、つる幸初代河田三朗さんのDNAを継承する和風カニシュウマイもまた食べられて幸せでした。

●蓬豆腐
春は蓬の新芽の胡麻豆腐で幕開け。パッと鮮やかな新緑色にウキウキ。春の爽やかな風が吹き込むよう。
この一品で片折さんの料理に向き合う心の準備が完了。

●鮎魚女
蓋を外すと吸地にゆらめく純白の鮎魚女が鎮座。全身で、細胞全部で味わいに浸りたい。

●和風カニシュウマイ
つる幸初代 河田三朗さんのDNAを継承する、片折さんご夫婦にとって思い入れの深い料理。
湯気が立つシュウマイをほこほこと頬張る幸せ。品と繊細を置き、そして情も味付けとする。カニは新湊の紅ズワイを使用。

●青バイ貝、サヨリ昆布締め、アカイカ木の芽和え

●カラスミ
今まで食べたカラスミの中でダントツの綺麗な味わい。血抜きをしっかりしてこそだそうです。断面も見惚れるほど美しかった。

●ほうれん草の白和え、百万石しいたけ
箸休め的に出てくる一品にも感動があるのはすごい。カウンター全員が唸った白和えは、クリーミーで軽くふうわりとしており、えぐみなく柔らかい葉のほうれん草との一体感がありました。

●炭焼きのど黒
いつもは千切りレタスを添えてくれますが、今回は軽やかなお酢でマリネした新キャベツでした。炭火焼きにされたのど黒から滲み出る、骨太な脂を受け止めて2度美味しい。

●鱒寿司
昨年(2022年)の新作として頂いてから忘れられず、ずっと食べたかった。今年は少しブラッシュアップさせてありました。
ご存じ鱒寿司は、富山の郷土料理の一つで駅弁としても定着していますが、こちらは食べる時間を逆算して仕込んだ繊細な鱒寿司です。
酢漬けにした鱒は厚みありしっとり柔らかく、蓮根スライスを挟んであるので、咀嚼する度にシャキシャキと軽快な音が鳴り響きます。白板昆布が敷いてあり、鱒とご飯からの旨味も滲み出てきて調和。絶品。

●白海老あられ揚げ、アスパラ
ボール状にしてあられを付けて揚げた白海老は、中は軽いレア状態。火入れをすることによって白海老がぷっくりと膨らみ輪郭が出て、甘さも増し、口の中で存在感を放ちながらとろけて消えていきます。

●ホタルイカ
目の前で片折大将と料理長が活ホタルイカの目と口を手早くピンセットで取り、釜揚げにしてくれます。

ぷっくり膨らんだほかほかなホタルイカの可愛らしさよ。皮が薄く繊細で美味。

●蓮蒸し
加賀蓮根、ヤナギザワラ、鰻蒲焼、百合根
滋味あり奥深くしみじみと美味しい。

●お食事
コシヒカリ一等米、氷見牛の八幡巻き、香の物、汁

・おかわり 桜鱒漬け丼

・おかわり 海鮎天丼
今この時だけの刹那、妙味を頂く嬉しさ。泳いでいる姿が思い浮かぶようです。

●桜餅
食後の満足感をより一層上げてくれる至福のお菓子。焼き上げたばかりの温かく程よい厚みの皮に、風味豊かで滋味薫るあんを包み、桜の葉の塩気が甘さを強調させながら雅な香りが鼻腔に広がる。こちらも春のお楽しみ。

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