晩秋から冬にかけてのジビエの旬とは違って、ジビエに関しては苦しい時期ではあるのですが、館シェフの工夫が光った本当に素晴らしいコースでした。やはり実力派だなぁと、改めて感じました。北陸が誇る女性シェフです。
この季節に期待値を大きく上回ってくるのはすごい!
●アミューズ
真っ白なとうもろこし“ピュアホワイト”のヴルーテソースは、その名の通りのピュアな甘さが鮮烈にパーンと口の中に広がり印象的。高麗雉レバームースはほうじ茶シューに挟んで、馥郁たる香りと共に。
●前菜 1
岩牡蠣 土佐酢 レフォール 酢橘
志賀町の岩牡蠣は、しっかりとした大きさと重量感があります。
柑橘のジュレの爽やかさに重なる、クリーミーで優しい辛味のあるレフォールクリームが美味しさに一役買っている。和食とは全く違う方向性で岩牡蠣の美味しさを昇華させています。
●前菜2
月の輪熊のパテドカンパーニュは出てきた瞬間心躍った。熊ロースの野趣とパワーをしっかりと印象付けながらもしっとりエレガントで、牛蒡の健やかな風味がスッと味を立ている。絶品。
●船上活〆甘鯛 甘海老
輪島で揚がった甘鯛を船上活〆し、鱗焼きに。鱗はサクサク乾いた音を立て、身はふっくらレア状態。濃厚な甘海老のアメリケーヌソースで。
●米粉と全粒粉のパン
●月の輪熊 月の輪熊手
部位で層を分けた熊のファルス。力強く脂の膨らみもあって余韻まで美味しい。熊の手に大豆の滋味と食感を混ぜ込んだりと、計算された一品。素晴らしい。
●本州鹿 サマートリュフ
●自家菜園より リュバーブ ベリー キャラメル、葡萄リーフティー
館シェフのデセールは、独自の感性で作られていて毎回楽しみなのです。
自家菜園で育てたリュバーブを、フランスの古典的なデセール発想でタルトにし、ベリーの野趣を添えて。女性的な繊細と可愛らしさも感じる、美味しいデザートが食後の満足度を高めてくれます。
葡萄の葉を焙煎したリーフティー、小菓子で締めくくります。