訪問日

2022

08/27

「L’OSTAL」初秋:サフォークタルタール、鹿のパイ包み

今回も食材には結構苦しい時期ではあるものの(ジビエも魚介も)、その中でも見つけ出した珠玉食材とシェフの工夫が凝らされていた素晴らしいコースでした。
特に印象的だったのは、サフォークタルタール、鹿のパイ包み。

●アミューズ 高麗雉 ナス、新じゃが
高麗雉のレバームースは、臭みなく、奥深い旨味が広がり最初にインパクトありました。

●アミューズ シャンピニョンポタージュ

●前菜 アラ 輪島、雲丹、青柚子、幸水
輪島の釣りアラは、船上活〆をして。針にした幸水梨を添え、青柚子の風味と共に爽やかに。

●前菜
猪パテ・ド・カンパーニュ、高麗雉バロティーヌ、赤平ピジョン
猪パテは野趣と品を兼ね備え、牛蒡が持つ聡明さと風味で味をスッと立ているのが素晴らしい。
北海道産の赤平ピジョンは、希少な国産鳩。美しい赤身で力強く美味。

●サフォーク仔羊 タルタール、タン
清らかな味わいでありながら羊らしい個性も置き、旨味がとくとく広がり余韻に残る。自然と次の一口が欲しくなる。絶品です。コースの中でも印象的でした。

●甘鯛
石川県輪島市船上活〆甘鯛・大葉ベアルネーズ・金糸瓜

●鹿のパイ包み 本州鹿 兵庫県朝来市・猪・フォワグラ
状態が良い上等な鹿なので、調理法をファルスにしようかシェフは迷ったそうですが、素晴らしい一皿に仕上げてありました。火入れもパーフェクトで、旨味が内包されており、優しい弾力を感じさせる厚みも完璧。ソースにはタイムが効かせてあり、爽やかな風味が鼻腔に抜け、鹿のピュアな味わいに調和し、軽やかにスッと持ち上げているのも素晴らしい。

●猪ロース 富山県黒部市
良い意味での跳ね返す弾力と、咀嚼するほどに広がる旨味に悶絶。無花果とサマートリュフで、秋を香らせて。

●デザート 津軽リンゴ・ピスタチオ・ブルーベリー
館シェフのデセールは毎回楽しみ。自家菜園で育てた果実を取り入れてあり、繊細さや素朴さも魅力で、ハートでも味わいたい。今回はリンゴとピスタチオのクレープ。
葡萄の葉を焙煎したリーフティー、小菓子で締めくくります。

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