SHÓKUDŌ YArn

ショクドウ ヤーン

HOKURIKU TOP100 RESTAURANTS
SHOKUDO YArn

フォトギャラリー

石川県小松にあるイノベーティブレストラン。食通最注目レストランの一つで、食べ歩き目的で金沢に来る人の多くが、ここをルートに入れているはずです。
オープンしたのは2015年8月のこと。店名の「YArn」は、英語で“糸”という意味で、YとAが大文字になっているのは、オーナーシェフ米田裕二さんと奥様の亜佐美さんの名前の頭文字。ちなみに、店名に付く「SHÓKUDŌ」 は、“食堂”であり“食の道”を表していますが、決して(町の)食堂ではないのです。ご夫婦共に世界的名店出身であることは有名な話。

お店の場所は、小松空港からも駅からもちょっと距離がある民家の一角なので、初めてならば注意して向かってください。建物は(小松には昔、撚糸業が栄えていたそうで)築50年の元撚糸工場をリノベーション。店内はガラス張りになっており、お店中央には樹齢200年というオリーブの樹が鎮座。存在感を放っています。また、テーブルや窓枠、床などに木材を使用してあるため、スタイリッシュかつ自然と調和したナチュラルな空間デザインです。

料理はイノベーティブで、ご夫婦が過ごしたイタリアとスペインの要素、そして和のエッセンスの融合です。
料理名が書かれたお献立が出てくるのですが(掲載不可)、まずこれが面白いのです。1品1品に暗号のような不思議な名前が付いていて、ジョークもきいていて、内容がかなり作り込んであって「えー!ここまでやるの?」をとことんやり切ってくれているから清々しい。先入観やイメージを良い意味で裏切った「ナニコレ」の連続です。しかし、驚きだけを重視しているわけではなく、吟味した地元の食材を使用し、おいしさを構築するという根幹の部分も重視されているのがよく分かります。

たくさんのお店を食べ歩くと、正直感動に鈍くなりがちですが、YArnさんが全国から訪れる食通をここまで楽しませることができるのは、深い作り込みとオリジナリティ、情熱があってこそ。かなり凝っているので、書き手をくすぐるお店ではありますが、料理の詳細を書いてしまうとネタバレになるので掲載できないのと、料理と店内は撮影不可なので、シェフのプレゼンテーションに身を任せ、料理に五感フル稼動で集中してください。

2021年8月に訪問した方には、6周年としてオリジナル手ぬぐいをプレゼントしてくださいました。8月限定だそうです、嬉しい。書かれている文字は、過去にメニュー化した料理名で、解読するのも楽しみ。
「今年はモノトーンでロックなイメージにしてみました」という通り、白黒二色でカッコイイ手ぬぐいでした。

2021年8月の料理は、以前から新作もどんどん増えて新ネタの連続で、最後まで興奮しました。