訪問日

2020

03/06

「料理小松」春:蛤の飯蒸し、生くちこ、タケノコ

前回から約3ヶ月強ぶりになってしまったのは、1月にと思っていたのに予約満席で取れなかったから。春の小松さん、楽しみに訪問。全部地物ではないですが、七尾や能登の食材が多く準備されていました。

●蛤の飯蒸し
重厚感のある江戸切子が存在感あり。中にはぷっくりと薄桜に色づいた蛤の飯蒸し。歯が喜ぶ優しい弾力。

●お吸い物 七尾アイナメ
立派な七尾産アイナメの純白の眩しさ。立ち上がってくる甘み、そして吸地のまろみと一体になって余韻に残る美味しさ。鴨頭には春の始まりを予感させる花柚子。

●お造り 七尾ヒラメ
ヒラメはへぎ造りと棒造りで、刺身の引き方で味わいが異なります。土佐醤油とポン酢で。
桃のお節句らしい菱型の器は、六代 大樋長左衛門。苔色、仙斎茶色、利休茶色の濃淡のグラデーションが味わい深い。

●お造り生クチコ、赤貝、アカイカ
クチコはこの後の時期から干す作業が始まるので、今だからこそ生クチコとして味わえます。

パッと鮮やかな向日葵色でどしりと重量感のあるこちらの器も、六代 大樋長左衛門。調べると六代は28歳没という短命だったそうですね。残された作品も他の代に比べると少ないはずですが、さすが小松さんすごいものをお持ちで。印象に残る器。

●生クチコ小吸い物
塩味をより和らげ針生姜で生姜の風味をのせて。ぷくっと線に輪郭が出てまた違った美味しさ。

●八寸
九谷焼にフグの白子、橋立ガスエビ昆布〆このわたがけ、七尾飯蛸 もうすく蕾がほどけそうなボケを添えて

●蛸島 毛ガニ
毛ガニは奥能登蛸島産の立派なものを活毛ガニで準備してくれました。

器は明治から大正時代の陶芸家 諏訪 蘇山(すわそざん)。毛ガニの色付いた紅白が調和しています。

●輪島甘鯛、タケノコ
まず目が行く、レトロモダンな豪華で味わいのある器は、文政2年に現在の小松市小野町で始まった“小野窯”。
ポッと薄紅の削り節に隠れるのは、輪島の甘鯛とタケノコ。

食べ終えてからの景色も一興。

●帆立真薯、若芽
息を飲むような綺羅びやかな金襴手の器は、初代矢口永寿。もう、参りましたよ。って感じです。

帆立真薯、春の若芽はとろんとやわらかく美味。

●福井白魚雑炊
お食事はこちらも春の妙味、白魚。

●お菓子
今回は上生菓子を目の前で実演してくれました。練り切りあんは加賀丸いも8にえんどう豆2の天然の若草色で、そぼろ状に裏ごし手際よくあんに植え付けていきます。ふわっと軽くてみずみずしく、素材の滋味も余韻に広がる、作りたてだからこその刹那の美味しさ。

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