富山が世界に誇るディスティネーションレストラン「L’évo(レヴォ)」の2024年5月のお料理です。通常も予約困難ですが、山菜、グルヌイユが揃う時期が最も予約が取りにくい季節です。
●prologue(プロローグ)
富山黒部の山羊チーズのグジェール、赤ビーツメレンゲのレヴォ鶏レバーサンド、白海老薪風味、ブランダード甘鯛じゃがいも、山葡萄の新芽のフリット
●眠り姫
新作!その名も「眠り姫」。メニューに書かれている料理名で「なんだろう?」と気になっていましたが、冬眠していた子熊の雌のタルタールでした。森の中で味わう、自然の恵みの野趣と神聖さ。新鮮だからこそのクリアでフレッシュな味わいと、森の王者のパワーを秘めた格別な美味しさ。
レヴォらしい前菜の1品目。
●鯵
パイ生地に並ぶのは、透き通るくらいの薄さにスライスしてマリネした氷見の鯵。包み込んだ天然の独活は、灰汁がなくフレッシュで鯵に調和。
●月ノ輪熊
大好きな春の熊の料理。優しい弾力で赤身にパワーがあり、山菜の野趣と共に森の中に連れて行ってくれます。大地の生命力のハーモニー。絶品。
●田螺
氷見のタニシは、八尾のエルダーフラワー、ハーブの一種“ワカタイ”とそら豆のソースと。
●蛍烏賊
活蛍烏賊を熾火で少し炙って仕上げた、蛍烏賊のポテンシャルを最大限に生かした、最高の火入れ。ふるふるとした繊細な身に目尻が下がる。海藻のナガラモ、スプラウト、新玉ねぎソース、イカ墨のソース、燻製マスタードと。
●グルヌイユ
この季節L’evoを訪れるお楽しみの一つがこれ。同店からさらに山奥へ行った水無(みずなし)というエリアで、スタッフみんなで獲ってくるアズマヒキガエルです。谷口シェフといえば、グルヌイユの使い手最高峰としても知られ、捌く手際もお見事なのです。
プリッとしたモモ、山椒焼きにした腕とお腹の部位をシャク野草のソースで。
口の中にほとばしるピュアで力強い旨み。一度食べたら虜になる美味しさです。
●大門素麺
谷口シェフのスペシャリテの一つ。富山の名産品である大門素麺は乾麺として流通していますが、これは半生麺を使用しており、もちもち食感と絶妙なコシ、旨味があります。白いスープは黒部「Y&Co.」さんのシェーブルチーズで、緑のオイルは春に採れたフキノトウ。ヤギチーズとフキノトウという、とても個性的な2つの風味の方向性を合わせておいしさに昇華させているところに感動があります。
●L’evo鶏
レストラン名を冠した谷口シェフのスペシャリテです。
育てられなかった時期があって、私も食べられたのは1年ぶりかも。
レヴォ鶏はシェフが「土遊野」さんと連携し、満寿泉の酒粕など飼料から指定して育てた鶏で、中は、鶏モモ肉とムネ肉、熊の脂、土遊野さんが棚田で育てた有機餅米入りで、鶏の皮で包んで焼き上げて、表面は薪の香りを纏わせてあります。中から旨味を蓄えた脂やジュが飛び出すので火傷注意ですが、熱々が美味しいのです。ピュアでいて骨太な旨味が堂々と広がり、さらに咀嚼するたびに湧き出してくる旨味に唸らずにはいられない。
中央のマスタードソースは、もも肉とムネ肉以外の部位から取ったブイヨンを合わせたもので、味わいに寄り添い引き締めます。
●桜鱒
脂の乗った桜鱒はコンフィは、南砺市の立派なアスパラガスと共に。
●よつぼし苺
イチゴミルクのような可愛らしいチャーミングな味わいのデセール1品目。
●黒文字
黒文字を各パーツに使用してあります。キャラメルのパウダー状アイス、黒文字パウダー、アグレットにサンドされた黒文字のクレーム。黒文字の風味の旋律、それぞれのパーツの食感や舌触りが重なったときのハーモニー。
●小菓子、黒文字茶