訪問日

2019

10/18

「片折」秋:能登松茸の回(7度目の訪問)

この時期の片折さんで楽しみなのは能登松茸。昨シーズン、2018年秋の松茸が本当に素晴らしくて神がかっていたので、それを期待しちゃうわけなのですが、今シーズンは松茸が裏年なのかどこのお料理店さんにも入っておらず「今年は全然ダメですねぇ」という声しか聞こえてきません。しかしながら、この日は運もあってかもしれませんが、片折さんの大きなご努力の甲斐あり、地物の能登松茸が準備されていて度肝抜かれました。

今年はさすがに片折さんでも食べれないだろうと思っていたので、ほんと夢みたい。馳走を駆け巡って珠洲の松茸を準備をしてくれた。なんたること。(ちなみに翌日は大雨もありゼロだったらしいです。

手取川古古酒を初代徳田八十吉の徳利にて。さらに能登町数馬酒造「NOTOプロトタイプ」を。

●昼どれ珠洲松茸おかゆ
この先付はまず松茸のおかゆ。風味が鼻腔をくすぐり、喜びで胸がいっぱいに。温もりがとくとくと食道を伝わり胃袋を優しく優しく撫でてくれる。

●お吸い物
椀蓋を外すと命の出汁に加賀れんこんが鎮座。この潔さ。気持ちいいほどシンプル。削ぎ落とした美味しいがここにある。レンコンの下には、今では稀少になってしまった七尾の沢野ごぼう。大地の風味と、極太なのにやわらかい繊維に驚くはず。根菜のコンビネーション。

●氷見クエ
今日の氷見のクエは、片折さんのテンションの高まりが溢れて伝わるくらい最高のもの。岸田シェフの「人生最高のレストラン」で片折さんが取り上げられたときに出ていたのが立派なクエでしたが、それに匹敵するものらしいです。えんがわ寄りの部位。こんな絶妙に良い脂がのったクエは食べたことがない。たおやかな身に立ち上がる聡明な旨味。山葵は白峰の。
少しチャーミングさも漂わせる器は、九谷焼に新風を吹き込んだ陶芸作家と言われる北出塔次郎氏の作品。

●茄子と福井県の赤ウニ
金沢市安原の茄子、福井県の赤ウニのおいしさ。

●焼能登松茸
目の前で炭火で焼いてくれるのを見守りながら待つのも至福の時。胸いっぱいに吸い込むとクラクラするくらいのいい香りはたまらない。ああ、美味しそうだこと。部屋中に満ちるこの香りでお酒をチビリやりながら。
昨シーズンはホイルで蒸焼きにしていたのですが、今年は松茸の状態で調理を変えて、切り込みを入れて炭火焼きにし、割いていきます。
能登松茸は他県と比べて結構荒々しい地形で採れるらしく、そのためか食感シャキシャキ。
塩は角花さんのを挽いて粉状にしたもの。食べるときに指でつまんでサラサラと。
シャクシャクとした食感と、松茸から溢れるジュを全身で迎えに行く。角花さんの塩で旨さに輪郭が出る。

●氷見テッポウカマス

●クエの酒蒸し
先ほどのクエ、こちらは胴のほうを。天然のシメジの歯応えの妙。シャクシャクと絶品。シメジってこんなに美味しかったっけ。

●氷見里芋田舎煮
原種の里芋を田舎煮に。ニボシをベースに炊いて、里芋の持つ大地のパワーが活きる味の入れ方。矢口永寿さんお弟子さんの器で。

●自家製ひろず

●お食事
お米は氷見のコシヒカリ一等米。卵は、かほく市西山愛鶏園さんのもみじたまご。おかわりでは、蒲焼き風ののど黒を贅沢に。これはおかわりするよね、間違いなく。

●水菓子
富山呉羽梨、能登黒豆

●栗きんとん
能登宇出津の栗をしっとりした栗きんとんに。器は中村錦平さん。

紹介ページに戻る