訪問日

2022

10/06

「一本杉 川嶋」秋 お月見:天然茸、モクズガニ、能登うなぎ

14回目の訪問。
テーマはお月見。2022年の十三夜は10月8日ということで、良いタイミングになりました。
今回印象的だったのは、モクズガニ、天然茸粥、オコゼ、能登うなぎWプレミアム、のど黒、お月見団子。夏が終わり、食材がのってくる前の季節にも関わらず、良いお献立構成でした。
ちなみにこの日の時点で2023年いっぱいは満席なので、この2年で予約困難度を極める日本有数のお店となりました。七尾の誇り。

●早生蜜柑 砂糖漬け

●モクズガニ
川嶋さんコース冒頭の定番、五味を取り入れた一品。お月見を思わせるしつらえです。
能登のモクズガニは内子と外子と共に、程よいソフトなレア食感で美味。能登伝統野菜である金糸瓜(そうめん南瓜)の焼きびたし、加賀野菜 金時草、土佐酢ジュレで、五味に加えてさまざまな食感も楽しめる。

●能登天然きのこ お粥
こっさ茸、天然ナメコ、ねじ茸、ほうき茸、さまつ、舞茸(違ってたらすみません)
朝採れたての能登天然茸6種類と、川嶋大将が田植えをして育てた自然栽培米新米のお粥の新米。お米をほんの少しかために炊き仕上げることで、咀嚼させ、天然茸の旨味を一層感じさせる。

●お吸い物
輪島塗の菊のお椀。お月様をイメージした黄身豆腐が吸地に浮かぶ。
能登地鶏のたまごを葛で練り上げてあり、ねっとりとろっと口溶けよくて新感覚。秋鱧は葛たたきにして、雲に見立てて。ツルムラサキと。

●お造り(車海老 七尾、オコゼ 七尾)
七尾の特大車海老は活で準備してくれました。これも素晴らしかったけど、提供時間を逆算して3時間前に締めたオコゼが絶品でした。身、肝、胃袋と。早生みかんをぎゅっと絞って。

●鰆
7.5キロの鰆の、脂が乗ったお腹のいい部分を藁焼きにて。脂が乗っていてお肉のような食感。

●おしのぎ 銀杏おこわ
新大正もち米と穴水の銀杏のおこわ。石川県の高級珍味ふぐ卵巣糠漬け“ふぐの子”の発酵食たる奥深い旨味と塩気で。

●八寸
卓上でお月見を満喫。美しく風情あり、小さな一品にも手を抜かない素晴らしい八寸です。
南瓜すり流しに能登の塩漬け雲丹 出汁ジュレ、朝どれ枝豆、アオリイカ焼き霜、ゴーヤおかか和え、甘海老昆布締め、鰆の子、百合根団子、朝どれ無花果 胡麻がけ

●能登鰻
能登で好環境で養殖をされているこだわり鰻です。
プレミアムは500gなのですが、こちらはなんと1kgです。
とにかく身の厚みがすごくて、ゼラチン質も分厚いのですが、自らの持つ脂で揚げるように炭火焼き。せんべい状に焼き切ってパリパリと乾いた食感で、身は対極的にふっくらジューシーで美味。
カリカリきゅうりと共に。

●のど黒
流れ的に能登鰻との対比になっており、メリハリも出ており良かった。のど黒は蒸して脂を落として、酢橘でスッキリ仕上げてあり、旨味がスープに溶け出しており美味でした。

●蒸し鮑
蒸し鮑はマコモダケと。鮑の旨味スープは、能登の潮騒まで溶け込んでいました。

●お食事、トロなす赤出汁、香の物
川嶋大将自ら田植えをする無農薬棚田米の美味しさに浸る、後半戦ラストスパート。お代わりのバリエーションがあると、ついつい食べてしまうのですよね。

・海苔佃煮
「ごはんですよ」ではなく「川嶋ですよ」(笑)これはもうスペシャリテと言って良い。
能登の良い海苔を使っているので、風味が豊かで横幅の広がりもすごい。能登伝統野菜 中島菜の塩漬けを混ぜ込んであり、ほんのり余韻に苦みが効いていてヤミツキを誘発する。どれだけでも食べられます。

・純烏骨鶏たまご
能登で育てる烏骨鶏卵と、削った鰹節で。説明不要の美味さでです。

●デザート
能登のミルクで作ったアイスをお餅で包んで、あのアイスのプレミアムバージョンのようなイメージ。

●月見だんご、お抹茶
コースのテーマにもバッチリ、最後を締めくくる素晴らしいお菓子。中は白味噌入りで、お団子がとても繊細で口溶けがよく、目尻が下がる。食後の満足度が高められました。

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