訪問日

2022

01/27

「一本杉 川嶋」冬:節分、加能ガニ、寒鰤、沢野ごぼう

今シーズン冬2回目。香箱ガニは1月はすでに禁漁になっていますが、立派な能登の加能ガニを準備してくれて、料理としての昇華のさせ方も素晴らしかったです。
個人的には今回、能登ぶり砂ずり、カニ真薯とカニしゃぶ蟹味噌ディップ、舳倉島ぼた海苔、沢野ごぼうが好きでした。「日の出大敷」中田洋助さん珠玉の魚もインパクトありました。

●酢昆布 一本杉通りの白井昆布店さんの酢昆布

●先付
舳倉島の海女さんが採ってきた天然の岩海苔“ぼた海苔”と胡麻豆腐揚げ出しの温かい一品で胃袋から体を温めます。
蓋を外すとぼた海苔の磯の香りに鼻腔をくすぐられる。海で採ってきて干したもので、このしこしこした食感はこのタイミングだからこそ。

●白子
昼獲れの新鮮な白子を能登の原木椎茸「のと115」と春菊とスダチジュレがけで。のと115はお酒をかけながら焼き、いしるを塗って表面を焦がしながら焼いて。
川嶋さんではコース序盤に定番となっている“五味”を意識した一品です。

●お吸い物 加能ガニ真薯
美しい輪島塗の梅椀には、加能ガニの真薯が鎮座。
吸地は1番出汁とカニ出汁に薄葛を引いてあります。真薯はつなぎなしで、ギリギリ形になっており、ふあふあと遊び吸地に溶けていくようです。中には蟹味噌が入っていて、グラデーションを描きながらほんのりとコクを出します。素晴らしい。

●お造り 天然ヒラメ、能登ぶり
天然ヒラメは5時間前に〆て程よく旨味が回って、しなやかな食感。
14キロの能登鰤は、砂ずりの脂が甘く今年一番と言えるくらい美味でした。

●お造り メジマグロ
メジマグロ皮ぎりぎりで引いて軽く漬けにしたものを、山かけにして、白井昆布店の初海苔をかけて。どっしり深みのある大樋焼にて。

●鯨
「日の出大敷」中田洋助さんの鯨は、熟成3日目の顎部分を藁焼きで。
川嶋さんこだわりの無農薬棚田米の藁で藁焼きにして、川嶋鯨ベーコンが完成。
脂と赤身が半々。魚というよりも肉のような肉肉しいベーコンで、食感がしっかりあって噛むほどに甘味が口に堂々と広がりスモーキなー風味と共に余韻を残します。

●お稲荷さん
能登の餅米を酢飯にしたお稲荷さんで、加賀れんこんと胡麻を混ぜてあります。
ほの温かい温度がまず心地良く、出汁を含んだ稲荷からじゅわっと出汁が染み出し、優しい酢飯に重なります。

●八寸
節分の八寸。鬼は外に、そして福は内にしつらえてあります。大豆と、ヒイラギに鰯を添えて。
朝出来立ての生湯葉、おたふくには能登の大豆と白井昆布店の昆布で作った煮豆、冬の七尾の名物なまこ酢は先ほどまで海にいた海鼠で。七尾の海老芋 お出汁で炊いてから唐揚げに。沢野ごぼうのたたき牛蒡、梅鰯、生クチコの炙り。

●加能ガニの蟹味噌しゃぶしゃぶ
ここまでの流れが凄かったのですっかり存在を忘れていましたが、主役の能登町産加能ガニが登場。

目の前で手際よく捌いてしゃぶしゃぶに。一旦出汁をくぐらせて花を咲かせ、仕上げに炭で温めた蟹味噌をディップして絡めます。
ぷっくりと繊維が膨らんでみずみずしく、ちゅるんと滑る口当たりで、蟹味噌のふくよかな美味しさに溶け合いながら舌の上で溶けるようになくなります。

●加能ガニリゾット
加能ガニの蟹味噌にご飯を投入しリゾットにして、美味しさを余さずに味わい尽くします。お米は無農薬の新大正餅米で、輪郭があって噛みごたえもあり、噛めば噛むほど味が滲み出します。

●目鯛
10キロの目鯛を純米大吟醸の粕漬けに。珠洲のクヌギの炭で、近火の強火でミディアムレアに焼き上げてあります。

●沢野牛蒡、伝助穴子揚げ出し
沢野ごぼうは七尾市沢野地区で栽培されている伝統野菜で、“七日炊き”は沢野ごぼうの食べ方としては最も代表的。極太なのに筋感がなくて繊維が柔らかく、土の馥郁たる風味がいっぱいに広がります。これは絶品。


●お食事 蟹雑炊
今回のお食事は蟹雑炊で、いつもとは趣向が異なりますがこれは良かった(おかわり用に白いご飯もありました)。とっても贅沢で繊細な蟹雑炊でした。
能登ネギの焼きねぎ入りのお味噌汁も頂きました。

●果物と黒豆のジュレがけ

●椿餅
歴史のある季節のお菓子。椿の葉で挟んだ椿餅は風情がありますね。
能登のお米と能登の小豆を使用しており、細かい粒感が舌触りに心地良く、美味しいお菓子が食後の満足感を高めてくれました。

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