訪問日

2022

02/11

「蛤坂まえかわ」2022年2月11日:ちょうちん、日本鹿たたき、のと115

なんだか久しぶりになってしまいました。本当に大好きなお店なので、予約が入っていると数日前からウキウキです。
コースには、いつも楽しみにしているスペシャリテや定番の流れに、地物の季節食材を取り入れた料理、新作も織り込んであって、毎回新発見もあります。
串は1本あたりポーション大きめなので、部位ごとの特性が感じ取りやすいのも同店の特徴。
そして前川大将は、一人一人のお客さんに寄り添う心の籠った接客をしてくださって、その誠実さが料理の細部に現れているんですよね。人間的魅力も同店の味わい。どんどんファンを作っていることに納得です。
今回印象的だったのは、焼鳥はもちろん、のと115と日本鹿たたき、加賀れんこん入つくねです。

●ふりそで焼
いつものササミ山葵から始まると思いきや今回はふりそでから。山葵で引き締めて。

●かしわ 山椒、唐辛子で

●のと115
これがすごかった。見よ、この厚み。能登の原木しいたけ「のと115」今日最高の物を仕入れて焼いてくれました。
さすが“アワビしいたけ”“山のアワビ”と言われるだけあって、アワビと相似する厚みと食感、そして旨味。焼くことで抜けてしまう水分を補うために、しいたけの軸から取ったスープを塗りながら焼き上てあり、まるで最上の煮アワビを食べているようです。

●ちょうちん
出てくるとテンション上がるやつです。
鶏キンカン(まだ生み出されていない卵のこと)とレバーとせせりの3つが一串になっていて、全部を一緒に口に運ぶと、口の中に卵黄がピュッと広がりソースの役目を果たします。レバーが味を支え深みとなり、せせりの弾力が感じられるという計算された一串。

●純けいと金沢春菊
箸休め。おろしで和えた純けいと金沢春菊。金沢春菊は厚みがあって食感優しく、苦味が少なく美味。

●厚揚げ
こちらも毎回楽しみなスペシャリテ。厚揚げは石川県産大豆を使用したもので、揚げたてを備長炭で焼いて提供してくれます。薄い外皮が香ばしくてサクサクで、中はきめ細かくふるふるで大豆と水の味も感じられます。絶品です。

●せせりスダチ
せせりはスダチの和の柑橘の風味と酸味で引き締めることで、また新しい景色が広がる。

●日本鹿ロース たたき
絶品。金沢の湯涌で獲れた日本鹿のロースをたたきにして。ひんやりとした口当たりもコースにメリハリを持たせており、ポテンシャルが高いパワーみなぎる鹿肉に卵黄のコクが溶け合います。うっとりする美味しさ。

●砂肝

●カルガモ、甘トロネギ
甘トロネギは、加熱調理するとその名の通りトロッとした食感で、豊かな甘さがほとばしります。

●おろしつくね
今回つくねには、無農薬でれんこんを育てる川端さんの加賀れんこんを混ぜ込んでありました。食感に心地良いアクセントとなり、滋味が立ち上がります。おろしの柚子の風味も爽やかに持ち上げる。

●丸ハツ(心臓)
毎回楽しみな串。ぷりっと跳ね返すような弾力を感じてすぐにとくとく広がる旨味。歯が喜び舌も鼓を打つ。ああ、おいしい。

●手羽先
串最後の熱々。香ばしい皮目とその下のゼラチン質、骨周りの筋肉、溢れ出す旨味のエキス、これらが熱々の温度と共に口の中で重なります。

ここまでで腹パンなのに、必ず追加注文しちゃうご飯ものです。
毎回3種類ほどあって、バリエーションはその日によって変わりますが、親子丼とそぼろ丼は基本的にあるようです。他、ササミたたきのせご飯や、鳥出汁のお茶漬け、塩モツ丼など。

●親子丼
なんだかんだ毎回親子丼になちゃっているかも。美味しいんですよね。
艶のあるとろとろのたまごはオレンジ色に近く、見るからに濃厚で食指が動きます。目を閉じて味わいに浸る、説明不要のうまさ。夢心地。

●五郎島金時芋羊羹、能登のころ柿

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