訪問日

2021

08/31

「片折」初秋:鮑お吸い物、鮎笹寿司、太刀魚(15度目の訪問)

●氷見産天然天草の自家製心太
毎年夏に片折さんを訪れる楽しみの一つでもあるのが心太。キリッと輪郭のある心太で、舌触りもハリがあり喉越し爽快。今年は原種のオクラのたたきを乗せて。このオクラはもっちりしておりパワー漲る食材です。

 

●お吸い物
鮑料理の美味しさのMAX値は大体想像できるのですが、その期待値を超えてきたところに感動がありました。想定外の美味しさを生み出してある驚き。美しく包丁を入れることで絹に撫でられるような舌触りで、昆布を効かせた出汁に、海藻の味がする鮑がシンクロします。塗り物は幕末のものなのだとか。

●キジハタ、青バイ貝
片折さんで出してくれる青バイ貝は、贅沢に芯の部分だけなのですが、これが絶品なのです。
サザエともアワビとも違う食感で、シャクっと優しい弾力と歯切れの良さがある、清らかな天然の甘さが湧き出すようです。
器はガラス工芸家 藤田喬平さんの作品で、透明感と可愛らしさと趣きあり、片折さんの器コレクションでも斬新で目を引きます。3Dで絡み合う螺旋糸が濃淡も美しく描かれていて、魅入ってしまいます。

●アカイカルイベ、ヒラソウダガツオ、ボタンえび
アカイカルイベは、つる幸時代に初代河田三朗さんから受け継いだレシピなのだとか。口の中でちょうど良い感じで溶けて、出汁とネギ、そしてイカの甘さが徐々に一体になります。

器は大樋焼馬上盃(ばじょうはい)にて。この高台の高い器は、昔、馬の上で盃を交わすために作られた酒盃で、高台を握って持ち、酒を飲んでいたそう。楽焼の手法の伝統と格式を守る「大樋焼」と言えば、飴色の釉薬が特徴ですが、こちらも大樋焼。焼成温度を高くして焼いているそうです。崇高な美しさ。

●鮎の笹寿司
庄川の鮎を塩焼きではなくお寿司として。水分量も程よく鮎の旨味も絶妙で、そこに笹の青い風味を乗せた風流な一品。完成されている。

●太刀魚
繊細な火入れでほわっとした食感で、細やかで貫禄も感じる一品。素晴らしいと思いました。

●のど黒の酒盗焼き
口の中でひたひたと溢れるのど黒の美味しい脂に、ふんわりと酒盗の発酵の旨みをほんのり乗せて。

●能登天然岩がき

●福井三方湖 天然鰻

●シラサエビ 百合根まんじゅう
美しい揚げまんじゅうはとても精巧で、熱々の温度の後に、じんわりと百合根の強い甘さが広がる。日々お忙しい中でも新作を創造してくる凄さ。

●お食事
氷見牛の八幡巻き、香の物、ボタン海老頭入りの汁

●漬カツオ、カマス、小鯛茶漬け、卵かけご飯

パンナコッタ

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