訪問日

2019

08/09

「片折」夏:青バイ貝、白海老、天然天草の自家製心太 (6度目の訪問)

最初に通される待合にかかるのは日本画家 中村宗弘さんの作品。真夏日にこの“樹林”が山からの風を吹かせ、室温が下がった気がしました。まずは玄米を煮出した香ばしいお茶、そして青梅を。

 

カウンター席に移動して、お酒の前にハトムギ茶を頂きました。
●氷見のハトムギ茶

お酒は勝駒、手取川大吟醸古古酒を。

・魯山人

・イギリス18世紀のアンティーク
「昔はこれで何を飲んだのだろうか」という背景を想像するのも楽しい。

●先付
金沢の伝統野菜“加賀野菜”のひとつ“ヘタ紫なす”の薄い皮を、美しくつるんと剥いて煮浸しにし、福井小浜の赤ウニをのせて。端正な一品から幕開け。

●お吸い物
桐の花の蒔絵が施されたお椀。椀蓋を外すとそれは美しい純白のオコゼがゆらゆら朧げに咲く。舌触りも花びらのように繊細。雅な薄甘さに命の出汁がスッと溶け合います。

●能登島アラ お造り

●新湊 青バイ貝
食べ歩きをしていると珠玉の食材に出会うことは、ありがたい事に多いのですが、“素晴らしい食材を一番最高の状態で”とか“その中でも一番おいしい部位”に出会わせてくれるのはそれらを熟知した料理人さんの経験値と腕あってこそです。特大の青バイ貝、今回食べさせてくれたのは芯の部分。「え?そこだけ?」という贅沢な使い方ですが、なるほどこの妙味に驚きました。サザエのような噛みしめるコリコリ感とも、蒸しアワビの歯が喜ぶ柔らかさとも違う、表面はバイ貝らしいつるっとした光沢があり、ひんやりした舌触り、厚み、シャクっと優しい弾力と歯切れの良さを感じて、清らかな天然の甘さが立ち上がる。絶品だ。

器は大樋焼馬上盃(ばじょうはい)。この高台の高い器は、昔、馬の上で盃を交わすために作られた酒盃で、高台を握って持ってお酒を飲んでいました。楽焼の手法の伝統と格式を守る「大樋焼」と言えば、飴色の釉薬が特徴ですが、こちらも大樋焼。焼成温度を高くして焼いているそうです。

 

●新湊 白海老、アカイカの子 おこわ詰
美しい白海老。これだけ粒揃いの白海老を数そろえて、綺麗に剥き身にするのは大変なこと。子を離す前の今が、ちょうどおいしさMAX値のとき。ねっとりした甘さ、美味なり。

●氷見 岩牡蠣

●氷見産天然天草の自家製心太
さすがお料理店さんの心太は美しく品あり、ひと味もふた味も違います。能登では自家製で作るので、懐かしさも込み上げ心でも味いました。あぁ嬉しいなぁ。すだちの輪切りも一緒に頂くと、酸味が弾けて涼しい。

(一品撮り忘れ)

●湯涌 鹿 たたき

●焼きトマト

●お食事
お米は氷見のコシヒカリ一等米。思わずありがとうと言いたくなる美味しさ。卵は、かほく市西山愛鶏園さんのもみじたまご。

●胡麻豆腐

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