訪問日

2022

07/28

「片折」夏:鮎、オコゼ、赤雲丹、太刀魚ぐるぐる(20回目の訪問)

片折さんの夏のお料理は、磨き抜かれた腕の高さに加えて、センスも感じられる大好きな季節です。
今回特に印象的だったのは、お吸い物のオコゼ、鮎塩焼き、のど黒炭火焼き、太刀魚しそ揚げ、鮑ステーキ。シンプルな料理の様に聞こえますが、実は綿密に計算して究極の料理に昇華させているのも素晴らしい。

●朝どれヘタ紫なす、赤雲丹 小浜
加賀野菜のヘタ紫なすは、皮付きのまま揚げてから剥いているので、油を吸っているわけではなく、美味しさだけが最大限引き出されていて美味です。北陸の夏のスペシャル食材、小浜の赤雲丹と。福井の赤雲丹は一級品です。めくみさんも片折さんもこれを求めて福井へ向かいますね。

●お吸い物 オコゼ
薄く包丁を入れて、ゆらゆら花びらのように吸地に揺らめくオコゼが絶品。皮を外してあって、身の美味しさが純度100パーセントで伝わる。余韻でも印象に残す上質な甘み。

●キジハタ、赤イカ

●鯵、青バイ貝

●白海老 磯辺揚げ
ずっと眺めていたくなる、美しく身剥きした白海老。ぷっくりした身は透明感と艶がありうっとりしてしまう。咀嚼すると甘さがねっとり舌に絡み美味。白海老に足りない食感を補うように、サクサクとした磯辺揚げに乗せて。

●のど黒 炭火焼き
のど黒は産卵前である今が実は一番美味しい時期。冬はしっかりと濃厚な脂が乗っていますが、産卵前のタイミングは、さらっとした脂が身の全体にキレイにまわった状態で絶品です。
千切りレタスが、のど黒の脂を受け止めることによって、美味しさがパンッと開花。さっぱりシャキシャキ、ちょっとしんなりしてくるのも良く、のど黒の脂がソースのように絡みます。

●太刀魚
片折さんの太刀魚のぐるぐるは、丁寧な仕事と完成度の高い仕事が光る。素晴らしい一品。中心部はレア感を残してあって、大葉との比率のグラデーションも良い。

●胡瓜甘酢和え
古典レシピを見つめ直した片折さんの泣かせるシリーズです。胡瓜と海月の食感に、胡麻の香ばしさと甘露椎茸の懐かしみのある味わいが重なりホロリ。

●鮎 犀川
片折さんの鮎の塩焼きは夏のスペシャル。入荷は天候にも左右されるので、食運がないと食べられません。シュッと格好の良い立派な鮎です。

低温で焼き上げ、熱々のうちに頭と骨を手早く外します。通常は、骨まで火を入れることを前提にして炭火焼きにしますが、こちらは身に焦点を合わせてあるので、今まで味わったことがない極上の身の美味しさに驚きます。先入観を捨てて味わうべし。ほこほこ繊細で、聡明な甘さが膨らんでゆく。絶品。

●能登鮑ステーキ
シンプルみ見えて精密に計算された料理。細かく深め入れる包丁が、目尻が下がるような柔らかい食感を生み出し、さらにとろみあんも絡んで一緒に口に運べる。とろみあんは野菜出汁で、包み込むような優しい旨味。

●能登岩牡蠣、黄韮
能登の岩牡蠣に黄韮を散らして。咀嚼すると黄韮の風味が開いて薬味のようにアクセントに効いています。

●寄せ豆腐
シンプルで奥深い、こちらも泣かせる一品。甘めのとろみあんが心に染みる。

●お食事
コシヒカリ一等米、氷見牛の八幡巻き 香の物、汁
・おかわりは、ヒラソウダガツオとアラの漬け丼

●青梅

紹介ページに戻る