ちょうど1周年の日に予約を入れることができました。春はコロナ禍で営業が出来ませんでしたが、移転されてパワーアップしたことで、より一層注目されて全国的に名を轟かせるようになりました。北陸を代表する一店。
移転してからこの1年、私は7回来れたことになります。
今回は前回から日を置いていないので、食材がかぶるものがありますが、アレンジを効かせてあるところがさすがと言えます。
●白海老と夏野菜
●能登珠洲じゅんさい椀
藤井大将には珍しくシンプルにじゅんさいのみ。清らかなじゅんさいの味わいを包み込むような吸地のまろみと妙。この日は1周年ということで鶴のお椀で。
●お造り 新湊 鮎魚女
この日市場で一番良いものだったというだけある絶品の鮎魚女。噛むほどにとくとくと広がる甘み。美味。茜色の器は釋永岳さん。
●お造り 新湊 ボタン海老
まだ元気に跳ねる特大の活ボタン海老を目の前で調理してくれました。
寝かせた海老のねっとり甘い美味しさとはまた別物。ひんやりと舌に当たる締まった身は力強い弾力あり、透明感のあるクリアな味わいと甘さが、喉にいつまでも残り余韻する。とにかく美味なボタンエビでした。
器は4代 須田菁華
頭は焼いてくれました。
●のどぐろしゃぶ
レア感を残して軽くしゃぶしゃぶしたのどぐろ。やや厚みを持たせた切り方で、たおやかな食感に。のどぐろの良さを最大限活かす。
●八寸
氷に盛り付ける涼やかな八寸。ふじ居さんでこの演出は初めて。
四方漁港の岩牡蠣フライ、汲み上げ湯葉、魚のすり身と卵のカステラ、八尾高野さんの最中にビーツ、富山枝豆、胡瓜うるかサンド、茄子田楽、福光の夏の風物詩どじょう蒲焼き
●ばい貝
越中バイを藁焼きにて。こちらも記憶に残る美味しさ。咀嚼するたび湧き出でる甘さは、口の中に波紋するように広がりいつまでもその余韻が消えない。鼻腔に抜ける藁の香りがふっと旨味を持ち上げるようでした。
●あわびずいき
生地漁港の立派な鮑、ズイキと橙酢で。
●冬瓜はも
こういう料理に藤井大将の謙虚な仕事が現れます。貫禄と繊細。
●鮎飯
ご飯を覆う天然鮎に心踊る。お食事でも今一度見せ場を持ってくるあたりがニクイ演出。
食べきれなかった分はお持ち帰りに。
●水物
やまふじぶどう園の葡萄とセイズファームのソーベニヨンブランのグラニテ。いつもは満寿泉さんのプラチナ酒粕アイスなのですが、今回はスッキリと夏らしい水菓子で。
●葛きり