雪がうっすら積もった冬のくらげさんは、一段と風情あり。
お料理は、最初から最後まで個々の料理も全体の構成も考えられていたし、クリエイティブな要素も発見できて新しい美味しさに驚きました。訪れるたびに発見がある、目が離せない一店。
●ハーブと生姜のドリンク
(コース価格は5500円に変更になっていました。)
●カイトゥン
カイトゥンタレーモーファイは火鍋で作るシーフード茶碗蒸し。こちらは白子入りで、干海老と干貝柱の旨味を効かせ、ハーブの風味を乗せて。同店らしいとても良い序章。
●ラープ
ミント、クレソン、ディル、春菊など香草を使用した2種のサラダ。菊芋の表面に細かく包丁を入れて揚げ、鱗揚げのような食感を出し、中はホクホクねっとりしており、この食感の対比が新しくて美味。
●香箱ガニ
揚げ春巻きはアジア料理でよく出てきますが、北陸らしく香箱ガニを織り込み、味わいも計算してあって拍手でした。
春巻きの中は、カニ身とココナツの胚乳、さらにじゃがいもの千切りで食感を出し、咀嚼した時に驚きがあります。チリソースには、レア感のある濃厚な内子と外子の粒感を出してあり、香箱ガニの再構築的な料理でもある。ナスタチウムに乗せて。
●ナメラ
ナメラをココナツウォーターと豚で煮込むことで、味に骨太さを出してあり、和食とはガラッと違った煮込みに仕上げてあります。
●鱸ハーブ蒸し
バナナの葉を使用した鱸のハーブ蒸し。チーファーという唐辛子の辛味と、ココナッツミルクの妖艶なまろやかさ、ハーブの風味が三重奏。
●鴨マッサマンカレー
お献立の流れも計算された鴨のマッサマンで、アクセントの鬼灯の使い方も絶妙でした。もも肉とムネ肉は絶妙火入れ。
●才巻エビ トムヤムヌードル
和食に通じる繊細さのあるトムヤムは、スープが胃から全身に染み渡るよう。まずはそのまま味わってから、ノコギリコリアンダー・ライム・海老味噌ダレでガラッと味変。
●チェー
ベトナムのご当地スイーツとして超メジャーですね。かき氷にフルーツ・タピオカ・豆などを合わせた甘味で、現地ではよく食べますが、見た目にあまりこだわりないなーなんて思っていました。が、“日本人シェフがブラッシュアップしたらこうなるんだ!”という美しさとおいしさでした。
白インゲン豆、キウイやパッションフルーツなどの果実、タピオカ、リンゴシャーベットで、ジューシーで爽やかで繊細で、かなり洗練されたチェー。とても印象的な一品。
●モナカ
タイのスイーツである“カノムモーケン”の里芋バージョンを小豆と共にモナカで挟んだ小菓子とお抹茶で締めくくり。最後まで引き込まれたコースでした。