訪問日

2021

10/27

「湯宿さか本」秋:松茸

今年の能登松茸は、例年に比べて時期がとても早く、いつもなら最も採れるピークの時期にはもう名残という状況で、毎年恒例のさか本さんでの能登松茸すき焼きが食べられるか心配しましたが、滑り込みセーフで食べられて良かった。でもこれ以降は入荷が厳しくなるそうです。

囲炉裏では炭が組まれ、時折炭が爆ぜる光景も似合う寒さになってきました。

●里芋
このシンプルな一品からスタートというのがさか本さんらしい。むくむくと湯気の上がる蒸したての里芋に柑橘の風味を乗せて。塩で素朴な甘さを引き立てて。

●松茸酒
これはお初。焼いた能登松茸を熱燗に入れ、マッチで一瞬火をつけて。鰭酒の松茸バージョンという、粋で贅沢な味わい方に心躍る。

●能登松茸フライ
能登松茸ならではのシナモンのような強い風味が、フライにしても衣の香ばしさに負けない。パーっと口に広がります。

●鰤となます

●蓮蒸し、能登松茸
蓮蒸しに生姜風味のとろみあんをかけ、針にした能登松茸でふんわり風味を添えて。ホコホコとした温かみと滋味のハーモニー。すりおろして蒸し上げた蓮根のもっちりに、食感に加えたシャキシャキの蓮根がリズムを刻みます。

●お造り イシダイの昆布締め
脂の乗ったイシダイを厚めに引いて昆布締めに。身が引き締まっていて食感もしっかりとあり、和歌山 角長さんのどっしりめのたまり醤油が相性良し。

●能登松茸と能登牛のすき焼き

さか本さんのすき焼きは独特で、手順もここならでは。まずは牛脂を鉄鍋に敷いて厚めにスライスした能登牛だけを焼きます。とろ火でゆっくり火入をしますが、この火加減は最初から最後までそのままで。火が入って来たら能登のサクラ醤油ベースの甘めの割下を回しかけて、まずは牛のみで味わいに浸る。

牛の旨味が滲み出た鍋肌を拭うようにして糸蒟蒻を入れ、さらに松茸とネギ入れて牛の旨味を吸わせながら焼き、仕上げに割下を

そして、鍋に何も無くなったらまた能登牛のみを焼くという繰り返しを3回。この作業も楽しみ。

●むかごご飯
むかごの山の野趣と爽快な青い風味がすき焼きの後にちょうど良い。しみじみと能登の山の奥深さに浸る。

●巨峰

 

【朝食】
朝ごはんは決まって8時から。
松茸の時期は朝食にも松茸がしっかり出ます。まずは能登松茸土瓶蒸しから。松茸の風味と旨味が胃から体に染み込み全身を駆け巡ります。あぁ、なんて良い朝だろう。

どっしりとした合鹿椀いっぱいの能登松茸ご飯もインパクトあり。

能登松茸の茶碗蒸し、能登松茸の味噌漬けと能登松茸づくし。さらに、甘鯛味噌漬け、煮しめ、香の物。能登の秋に染まる、健やかで美しい朝。

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