きく家

きくや

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バラック小屋のミシュラン1ツ星すし店が犀川沿いに移転。ギャップが良かっただけではないということを証明

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金沢人気すし店の一つ。
店主は佐々野経史さん。開業は2011年で、2021年で10周年を迎えました。
移転前は、片町の一角にあるディープな飲食横丁“中央味食街”にありましたが、そのバラック小屋の雰囲気と佐々野大将の洗練されたおすしとのギャップが魅力で一躍人気店に。さらに、ミシュランガイドで1ツ星を獲得したことで一層予約が困難になりました。そのきく家が2020年10月5日に犀川沿いの中川除町に移転オープン。もちろん移転先も予約でずっと埋まっています。

建物は前店とは異なり、空間に余裕があって明るく風情あるL字カウンター8席です。
今までは、ハコと洗練されたすしとのギャップがきく家の良さだと思っていたのですが、この場所に移って、“ギャップが良かっただけではない”ということが証明されたように思いました。
大将の培ってきた技量の高さとセンスの良さが、しっかりとこの空間にのっています。今までとは調理の幅も広がっており、おいしさのレベルアップも印象付けられました。例えば、今までは炙りと言えばガスバーナーだったのが、藁焼きや溶岩焼き、炭火焼が出来るようになりました。また、スペースが増えたというのもあるのでしょう、器の種類もかなり多くなり、彩りが増しました。若い子もたくさん入ってちょっと賑やかな雰囲気のきく家です。

しかしながら“らしさ”も残っており、大将の頭のタオル巻きと県外中心で揃えた日本酒、さらに良心的価格は据え置きで、にぎりの種類がとても多いというのもそのまま。最後までたどり着けるのか途中心配になる(笑)営業は、18時からと20時からの2回転というのも前回同様。

高級魚がバンバン出てくるわけではありませんが、旬魚の珠玉や大衆魚も美味しく昇華させているところが魅力。魚が次々と目の前で捌かれて、淡々と流れるように握られていくきく家さんのライブ感、大好きです。