今回で祝10回目の訪問です。
訪問前日から北陸は急に空が荒れ模様になって、ぼた雪が降り積もる七尾一本杉通りでした。
海もシケて食材がなかったんだろうなという印象でしたが、工夫でカバーされているのが分かりました。私は今シーズン冬3回目で前回の訪問が近々だったので、わざわざ私だけネタをかえて下さったものもありお心遣い感謝です。
あとはやはり、能登町「日の出大敷」中田洋助さんの魚もやはり素晴らしく存在感ありました。
個人的には今回、能登鰤砂ずりがとてもコンディション良くて好きでした。あとは、白子おこわ、ぼた海苔、七尾の伝統野菜の沢野ごぼうも好きでした。
●大豆飴
能登の銘菓の一つ、きな粉と水飴で作ったソフトなきな粉菓子「大豆飴」の川嶋版。
和蝋燭の灯りの演出と共に。
●菊芋すりながし、胡麻豆腐
ぽってりとした口当たりと、自然の甘さと滋味。胃の中から温めてくれました。
●ズワイガニ、のとてまり
川嶋さんではコース序盤に定番となっている“五味”を意識した一品です。
ズワイガニは刺身から火が入る中間で、ふるるんちゅるんとした口当たり。
能登の原木しいたけで厳しい規格のあるブランド「のとてまり」は、能登の伝統発酵調味料である魚醤を塗って焼いて。
“アワビしいたけ””山のアワビ”と言われるだけある、肉厚でソフトでうっとり食感が美味。
出汁ジュレ、三つ葉と。
●お吸い物
真薯はほわほわでその中に荒ほぐしの鯛の身が入っていて、新しい軽やかさでした。蕪のみぞれ、糸人参、フキノトウ。
●ヤリイカ、ヒラスズキ
●能登寒鰤 13キロ 藁焼き
能登町「日の出大敷」中田洋助さんの寒鰤、素晴らしかったです。船上綺麗に処理を施してあり、砂ずり部位の脂もさらさらで、無農薬棚田米の藁焼きのスモーキーな風味が上手に乗っていました。
●白子
昼獲れの捌いたばかりの白子は、能登の伝統発酵調味料である魚醤を塗って焼いて、新大正もち米のおこわに乗せておしのぎとして。
白子をつぶしながら、リゾットのような感じで食べます。とってもクリーミーで、輪郭のある新大正もち米は噛めば噛むほど旨味が滲み出る。
●八寸
招福を詰め込んだ八寸。
カニ味噌あえ土佐酢ジュレと芹おひたし、朝どれ菊菜と干し柿の白和、能登の大豆の煮豆、あん肝、大羽鰯のフライ、からしな、純烏骨鶏のたまご
●あんこうスダチ蒸し
20キロのあんこうをスダチ蒸しにして。繊細だけど濃厚なお出汁が美味しい。
●伝助穴子 照り焼き
能登のクヌギの炭で近火で焼き上げた伝助穴子。
●鮑、里芋、沢野ごぼう七日炊き
沢野ごぼうは七尾市沢野地区で栽培されている伝統野菜で、“七日炊き”は沢野ごぼうの食べ方としては最も代表的。極太なのに筋感がなくて繊維が柔らかく、土の馥郁たる風味が広がります。
●お食事
まずはそのまま。汁は今回、舳倉島の海女さんが採ってきた天然の岩海苔“ぼた海苔”入りで、しこしこした食感と磯の香りが美味。
おかわりはバリエーションたくさん準備してくれましたが、私は漬けマグロの海苔添えを選びました。これがとっても美味しくておかわりしました。
海苔自体のポテンシャルの高さに加え、紫蘇と中島菜入りで、スッと鼻腔を抜ける風味を加えてあるのも良かった。
●ホワイトチョコレートアイス、七尾さがほのか、ふきのとう
●加賀丸いもきんとんきんとん
加賀丸いもの素材特製を活かした、ねっとり滋味のあるきんとんです。
中には木の芽のあん入りで健やかな風味が持ち上げます。