秋から冬に移り変わる晩秋の川嶋。11月6日に解禁になったカニもお献立に加わっていました。
●無花果ワイン煮と柚子蜜湯
●柚子釜
ふくふくと湯気の立つ温かい一品からスタート。柚子釜には鱈の白子と里芋のなめらかなすりながしでふくよかで優しい美味しさ。一本杉通りの鳥居醤油店のもろみ粉を振って。
●能登牛土佐酢ジュレ
能登牛A5プレミアムで能登の原木しいたけを巻きウニをのせ、土佐酢ジュレがけに。
●お吸い物
ズワイガニ真薯、ウグイス菜、金時人参、柚子
目の前で枕崎一本釣り特注鰹節を削るデモンストレーションから始まるお椀。今回の出汁はズワイガニの風味を立てるために軽快な仕上がりにしてありました。カニ身を寄せただけのようなつるんとしてとろみある真薯。
●お造り シマフグ
まずは器の上で、紅葉した能登の山の光景を見せてくれました。
敷き紙の下に隠れていたのはシマフグ。本日揚がったという4.2キロの大きなシマフグで、熟成させていないのにしなやかで美味。まるで鱈のような食感。トラフグとはまた別物の味わい。
●お造り
6日間熟成のアラ、13.5キロの鰤砂ずり4日間熟成、10キロのマグロ頭。広島の本わさび、能登島のお塩、自家製のチリ酢で。器は乾山写。
●お造り カツオ藁焼き
能登町“日の出大敷”船上血抜きのカツオを目の前で藁焼きに。カツオのネガティブな個性が一つもなく、良い意味でカツオと言われなければ分からないカツオ。
●おしのぎ
能登島の松茸を飯蒸しにしておしのぎとして。松茸の風味も塩加減も素晴らしい。
●香箱ガニ
仕上げに殼出汁をかけて。甲殻類の旨味滲み出たこの出汁が美味。
●八寸
川嶋大将が食材調達に能登を一周するときの里山里海の景色を表現した八寸。今回は酒泥棒な料理が多かったです。
天然鯛の自家製海鼠腸がけ、マグロの胃袋と心臓 チリ酢がけ、焼きワタ塩辛、日の出大敷の鯖の棒寿司、海鼠酢
予めワタを焼き牡蠣醤油も少し加えたという塩辛が絶品でした。
●揚げ物
鰆天ぷらは中がミディアムレアでとろける口当たり。あんがとう農園のサツマイモは1年熟成で重厚な甘さ。
●煮物椀 沢野ごぼう葛豆腐、穴子揚げ出し、春菊
320年ほど前から栽培されている七尾の伝統野菜“沢野ごぼう”の葛豆腐と穴子揚げ出し。沢野ごぼうは極太で風味と味の濃さ、繊維の柔らかさが特徴的ですが、滋味と馥郁たる香りが口の中で舞い美味。器は江戸末期もの。
●加能ガニ生姜ご飯
生姜ご飯にたっぷりのズワイガニ“加能ガニ”を混ぜて。ご飯とカニの量どっちが多いのか、というカニのボリュームで、みずみずしく喉の奥にとろんと滑っていくよう。
●能登ミルクのブランマンジェ
●霰
12月に入り、そろそろ降り出しそうな“霰(あられ)”をイメージしたお菓子。加賀丸いもをベースにしてねっとり滋味も感じられました。