訪問日

2023

12/04

「L’évo」冬:月ノ輪熊、穴熊、たぬき

山奥に移転してから私は10回目ですが、今回は“いつもの”と思っていたprologueがパワーアップしていて冒頭から驚きました。

●prologue(プロローグ)
5品だと思っていたら今回はなんと10品で、一層趣向を凝らしてあり驚きました。最初から期待以上の感動をもたらし、コースの始まりに冒険心をくすぐってくれました。釋永維さんの、重厚さと可愛らしさを持ち合わせる素敵な器で奏でられます。
サルナシ炙り松の実、富山黒部の山羊チーズのグジェール、赤ビーツメレンゲのレヴォ鶏レバーサンド、白海老薪風味、ブランダード甘鯛じゃがいも、小矢部天然鰻、モクズガニタルト、タニシ、牡蠣フリット、香茸ボール




最初でもう谷口英司ワールドに引き込まれます。
しかし、コースはこれから。冒険はここから始まります。

ペアリングは、ノンアルペアリングも面白くてオススメです。レヴォの近隣で採れた食材を駆使した味のマジック。ぜひ体験してほしい。オススメです。

●カワハギ
通常の和食で味わうカワハギとは一味違い、山野草やキハダの実を使用し、予測不能な美味しさの着地。新しい風味のアプローチ。

●いくら
富山岩瀬産のいくらを薪で炙ることで、風味が増し、独特の味わいが引き立ちます。胡瓜、山わさび、クロモジの葉との組み合わせが、この逸品を一層引き立てます。

●水蛸
薄くスライスされた水蛸に薪の香りを加えることで、シルクのような舌触りと青い和の風味が重なり合います。大葉オイル、スプラウト、そうめん瓜との絶妙な調和。

●月ノ輪熊
月ノ輪熊の赤身肉と、熊が自然に食べるアザミを使用。発芽落花生の深い味わい、チコリのフレッシュな苦味、蜂蜜ジュレの繊細な甘さが、大地の生命力のハーモニーを奏でる。

●穴熊
穴熊を使用したボロネーゼ、ならぬ“利賀ネーゼ”。鹿の血を用いた深みのあるソースとラクレットチーズが絶妙に調和し、穴熊の持つ潜在的な美味しさと調和。穴熊でこのような料理を創造できる料理人は他にいるでしょうか。

●たぬき
たぬきの肉は独特の風味がありそうですが、レヴォのたぬきは絶品。前回出てきた時も驚きの美味しさで、今回もお献立に織り込んであり、出てくる前からワクワクでした。
ジビエとしての野性的なニュアンスを持ちながらも、クリアで非常に柔らかくジューシーに仕上がげてあります。

●虎魚
虎魚のフリットは、海老と海苔を使った絶妙な衣で揚げた一品。風味豊かで食感も楽しい。自家製キャビアは塩分バランスが絶妙で、精巧な仕上がりが魅力です。

●月ノ輪熊
熊のどっしりと太い手のひらの上あたりの腕肉を、一旦干して旨味を凝縮させ、薪焼きに。皮のパリパリとゼラチンの対比がご馳走で、ロメインレタスの組み合わせも相性抜群です。

●猪
40日熟成の猪肉。チョロギと落花生のピュレ、カブの甘さが味わいを一層豊かにします。

●洋梨
富山婦中の洋梨を赤ワインコンポートで仕上げたデザート。ヨーグルトアイスのさわやかな味わいが、洋梨の甘みと絶妙にマッチし、後味を清々しくします。

●あんぽ柿
それだけで完成された味わいのあんぽ柿ですが、さらに美味しくしてあるのがすごいところ。
マスカルポーネとリコッタを合わせ、柿から引き出された自然で強い甘みと、チーズのクリーミーさが調和し、パーフェクトな美味しさに昇華。

●ハーブティー、小菓子

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