訪問日

2021

04/30

「L’Atelier de NOTO」能登牡蠣、穴水イサザ、ヤギ、のと玄牛カツレツ


●筍 サバ

●能登牡蠣 海藻
舳倉島の絹もずくとクロモ、能登牡蠣にオレンジのオイルをアクセントに。ほの温かい温度で、口の中にぽわっと磯が広がる。

・パン
舳倉島の塩が後を引く美味しさで、ついついパンが進んでしまう。

●イサザ
イサザは春を告げる能登穴水の名物でもあります。
たまごでとじて、アサリの出汁の泡を乗せて。繊細な身を生かす絶妙な火入れと味の添え方で、和食らしくもあり、静かな内海で泳ぐイサザの姿が思い浮かびました。


●ウド 新玉ねぎ ガスエビ
まずはウドのフリットをピンチョスで。

器のお料理は、新玉ねぎのヴァヴァロアにウドのスープ、ガスエビとガスエビの頭で出汁を取ったコンソメのジュレを添えて。ミルキーでまろやかな玉ねぎの甘さに、健やかなウドの風味がスッと立つ。

●フグ 春菊
マフグとマフグの白子のフランは品のある味わい。パッと目に飛び込んで来る深緑の鮮やかなソースは春菊で、ナチュラルで濃厚な味わいが溶け合います。

●タイ アワビ 亀の手
真鯛のすり身、アワビ、アワビの肝、そこにカメノテの出汁の泡を乗せて。“海女さんの町”らしさを感じさせ、潮騒が聞こえて来るような一品。高級食材アワビの美味しさに、カメノテの旨味が良い存在感を発揮しています。

●クジラ
心躍った一品。池端シェフのオリジナリティが光っていて、コースの中で一番攻めている料理でした。
能登町の日の出大敷のクジラに、バニュルスとバニラ、生姜のコンフィ、ビーツ味のクスクスという、一見どうなるか分からない奇抜な組み合わせ。クジラの力強さに少し効かせた甘さが重り、妖艶な風味で持ち上げ、不思議な旋律を奏でるという、新たなおいしさに出会えた一品でした。

●ヤギ
たんぽぽファームさんのヤギ。まだミルクしか飲んでいない2ヶ月半から3ヶ月のヤギで、ヤギと聞いて苦手意識を持ってしまう嫌な個性は出ておらず、ほちゃほちゃと柔らかくとてもピュア。ソースも骨などで取ったもので、優しく寄り添い調和。さらにリードヴォーならぬリードヤギ(胸腺肉)は、口の中でとろけて消えるようなおいしさ。

●フキノトウ
グラニテは風味と苦味がパーンと来る、フキノトウそのままと言える味わいで、一瞬にして能登の山に連れて言ってくれました。リフレッシュ。

●鱒 お豆さん
宇出津港であがったサクラマスをレアな火入れで。そら豆と絹さや、豆のソースで春の風が吹き込む。

●のと玄牛(くろうし)
たんぽぽファームののと玄牛の内もも肉をカツレツ、唐川菜(からこな)のマスタードのソースで。コゴミ、コシアブラを添えて。カツレツは歯が喜ぶやわらかさとシルキーな食感、対比に置いた衣の食感と香ばしさが良いですね。

●苺 ヨーグルト
ラトリエさんでは奥能登の牧場で牛を1頭飼っていて、その牛が1日に20リットルお乳を出すのですが、仔牛が飲む分以外は料理に使っています。牧場の映像を見せてもらいましたが、広い青空の元でのびのびと育っており、その様子を見ているだけでこちらまでストレスから解放されるようでした。
その、おいしいに決まっているミルクをヨーグルトシャーベットに。存在感のある輝く美味しさで、食材のポテンシャルの高さを感じました。

●能登栗
輪島の松尾栗園さんの栗を使ったムース。食材の甘さやコクにビターさものった大人のムース。美味。

能登で訪れるべき一店。

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