鮨人

すしじん

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ハマったら抜け出せない富山異色のすし店。富山珠玉ネタを赤酢シャリで握る

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富山を代表するすし店のひとつ。すしは独学!というロックなお店ですが、おいしさが口コミで噂を呼び、県外の食通からの予約も大変多いお店です。その破竹の勢いのまま世界にも飛び出し、近年では台湾やストックホルムなどで世界的なシェフとの海外ポップアップイベントも多々行っています。大将はクールな印象もある反面とても温和。すしは大将木村泉美さんの哲学が詰まっており、自ら模索し確立させたおいしさは魅力の塊。すしに対する大きな情熱を感じます。一度ハマってしまったら抜け出すことはできません。「ミシュランガイド北陸2021 特別版」(2021年5月19日発表)では1ツ星を獲得しました。

 

富山の珠玉ネタと赤酢のシャリ

鮨人で最も特徴的なのは赤酢のシャリです。シャリは(砂糖を使用せずに)赤酢のみで仕上げてあるため、茶褐色をしています。赤酢は熟成することでツンツンした酸味は角が取れて丸くなり、ふくよかで馥郁たる香りに変化し、長い期間寝かせることでアミノ酸などの旨味成分が生まれて味に幅と奥行が出ます。個人的にすごく好きです。お米は富山県産コシヒカリ。

ネタは白海老、富山エビ(ボタン海老)、サクラマス、青バイ貝など富山湾で水揚げされた珠玉揃いです。中には七尾のものもあり。

マグロは他県からの仕入れで、専門仲卸の築地「やま幸」さんから入れていることもあります(こちらとのお取引は一流店のみ)。

鮨人スペシャリテ

鮨人には、木村大将のスペシャリテがいくつかあります。毎回これらが食べられるのも、鮨人を訪れる楽しみとなっています。4つご紹介します。

①のど黒串ネギマ

「本当はみんな大好きなこと」を堂々とやってくれるから爽快。例えば、一見焼鳥にしか見えない串焼きはのど黒のネギマで、これはのど黒のオスを使っています。炙ることで溢れてくるおいしい脂が美味。のど黒のツボを突いた食べ方。

②茶碗蒸し

富山の湧き水と梅だけで作った餡がけの茶碗蒸しで、素材の味わいを活かしきった一品。

③かぶす汁

魚の骨と血を水でコトコト10時間煮て追い鰹とエビで仕上げた富山伝統スープの鮨人バージョン。味噌が入っていないのに、まるで入っているような奥深い味わいに驚きがあります。魚の旨味がギュギュっと詰まった“エッセンス”です。

④モナカ塩ジェラート

最後のデザートも一工夫あり。定評のある八尾のモナカを炙り、そこにマルガージェラートさんの塩ジェラートを挟んであります。きめ細かく香ばしいサクサクモナカに乗る甘じょっぱさが美味。

のど黒オスメス食べ比べ

こちらも楽しみの一つ。のど黒はオスとメスを食べ比べで。水分量の多いメスはしゃぶしゃぶに、脂ののったオスは焼きものにして。

お持ち帰りの豪華太巻き

2020にお初で頂きました。いつも注文できるのかはわからないですが、これは嬉しいやつ。エビ、マグロ、アナゴ、キュウリなどなどの多種のネタをまずは裏巻きにし、さらに海苔を巻きます。見た目も豪華だしおいしいし、お土産として毎回買って帰りたいなぁ。

鮨人のお酒

日本酒は富山の銘酒「満寿泉」を主に取り扱っています。満寿泉の限定酒が飲めるのも魅力。「勝駒」もあり。
おいしいお酒でおすしが進み、おいしいおすしでお酒が進むという、罪な美酒たち。ペアリングをお任せするのも良いでしょう。